味を知り尽くしたドライバーが案内する「和歌山ラーメンタクシー」とは?

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1998年に放映されたTVの企画番組「日本一うまいラーメン決定戦」で優勝し、一気に全国的に有名になった「和歌山ラーメン」。

東京にも専門店が登場して一世を風靡(ふうび)したが、“やはり本物を食べたい”と和歌山に足を運ぶ人も少なくない。

そんな人にピッタリの「和歌山ラーメンタクシー」が登場した。

和歌山ラーメンが他のラーメンとどう違うかというと、麺が細めであることや、一緒にさばずしを食べるスタイルが一般的であることだ。

また、地元でとれるかつお節とじゃこをベースにしたスープに、豚骨が入っていることなども特徴的だろう。

和歌山ラーメンは、地元では「中華そば」と呼ばれている。

実際に和歌山市内を中心に現在60店舗ほどあると言われている店の多くは、店先に中華そばのちょうちんを掲げている。

ちなみにちょうちんにこだわるのは、その原点が昭和初期の屋台で出された中華そばだったからだ。

和歌山ラーメンは、スープの味によって大きく3つに分けられる。

1つ目は「車庫前系」と言われているしょうゆ味。

2つ目は豚骨じょうゆ系で、東京で一般的になった和歌山ラーメンはこれに当たる。

そして3つ目が、上の2つのどちらにも属さない新興の味で、現在、勢力を増しているという。

続々オープンする和歌山ラーメンのお店を誰よりもよく知っているのは、仕事で市内中を巡り、休憩中にはラーメン店を利用する機会も多いタクシードライバーだ。

ということで、2012年10月31日より、おいしい店や隠れた名店に行ってみたいなどのリクエストに応えるべく、「和歌山ラーメンタクシー」が走り始めた。

リクエストは細かなものにでも応じてくれる。

例えば、「市内中心部の人気店を数店舗はしごしたい!」と要望すれば、麺が見えないほどのネギがトッピングされている「ラーメン○イ」、2軒目には昔ながらの味を守っていると評判の「丸田屋」をチョイスしたりする。

「やっぱ王道も欠かせない」とリクエストすれば、一番人気とうわさの「てんかけラーメン」まで走ってくれる。

どんなリクエストにも瞬時に応えることができる彼らは、ラーメンだけでなく、和歌山の人気度アップにまで貢献しているのだ。

この取り組みに参加しているのは、市内の11社のタクシー会社と個人タクシーで、車体に貼った「和歌山ラーメンタクシー」のステッカーが目印になっている。

もちろん誰でも貼っていいわけではなく、ラーメンに関する試験に合格して初めて許可されるのである。

第一回目の試験に合格したのは93人。

事前に電話して予約しておけば、試験合格後、市の研修を受けたドライバーが客の好みを聞いて、一番合うだろうと思われるラーメン店まで連れて行っていってくれる。

さらに道中、和歌山ラーメンの歴史や作法まで教えてくれる。

和歌山市までは大阪から1時間ほどなのだが、新幹線の駅から遠いことや、より近くに京都や奈良といった有名観光地があるためか、観光客の数が伸びない。

それだけに、和歌山ラーメンを起爆剤に和歌山への観光客の数を増やすことが目的として、このタクシーが考案されたという。

和歌山市内には紀州藩紀州徳川家の居城だった和歌山城をはじめ、『万葉集』にもうたわれた景勝地「和歌浦」や、桜で有名な「紀三井寺」などいろいろな名所が点在している。

ラーメンを食べつつ、タクシーで市内観光するのもオツだ。

また、帰路につく前に、和歌山ラーメンのスープにも使われている魚介類が揚がる雑賀崎(さいかざき)漁港によって、和歌山の新鮮な魚を満喫するのもオススメだ。