ニッポンの企業戦士は、目上の人間を立ててナンボ。腹の中のホンネを相手にブツける場合は、機嫌を損ねないようポジティブに、ポジティブに

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否定的な意味合いのネガティブな言葉を肯定的で前向きなポジティブ表現に言い換えた『ネガポ辞典』(主婦の友社)がヒット中だ。就活、仕事、恋愛など人生のさまざまな場面で、相手をポジティブな気持ちにさせ成果を挙げる、あるいは被害を最小限に抑える便利な「ネガポ言い換え術」とは?

もともと同書は、札幌の女子高生のアイデアから生まれた同名のiPhone用アプリだった。ところが昨年5月、たまたま同アプリの存在をテレビで知った主婦の友社の三宅川修慶氏が「このコンテンツは書籍化に向いている」と直感。9月に出版されるや順調に売れ行きを伸ばし、現在4刷で3万部突破という勢いを見せている。

本の内容をひと言で言えば、否定的な意味合いのネガティブな言葉を肯定的で前向きなポジティブ表現に言い換えた辞典。例えば、「変態」→「ある種の知識に精通している」、「愛想が悪い」→「媚を売らない」、「キモい」→「存在感がある」といった具合だ。

この「ネガポ言い換え術」は、さまざまなシチュエーションで応用可能。例えば就活のエントリーシートに自己分析を記入する際は「計画性がない」→「常に背水の陣で事に当たる」、「三日坊主」→「切り替えが早い」、「あきらめが早い」→「己の限界点を正確に把握している」、「友達が少ない」→「安易に群れない」などと言い換えられる。

同じく面接の自己PRでは「自分に自信が持てません」→「他人の長所を見つける能力に長(た)けています」、「意志が弱い」→「仲間から反感を買わない性格です」、「周りに流されやすくて……」→「集団行動が得意です」、「存在感がないんです」→「縁の下の力持ち的な性格です」などとアピールしよう。

仕事上のトラブルの対処でも、例えば「資材を大量に誤発注してしまいました。申し訳ございません……」というときに「量に余裕を持たせて資材を手配しました。大胆にバンバン使えますよ!」と言い換えれば、その場を乗り切ることぐらいはできるかもしれない。「正直、ヤバいです」という場合も「火事場のクソ力を発揮してみせます」と言えばOKだ。

何かとイラッと来る上司にも、「ネガポ言い換え術」は有効だ。「課長って、やたら威張ってますよね」→「課長、さすが、人の上に立つ器です」。さらに、普段なら絶対に言えないことも、「部長、それ、実はヅラでしょ?」→「部長って、ミステリアスな雰囲気がありますよね」、「うわ、先輩、くっせー!!」→「うわ、先輩、男のフェロモン出まくりっスね!!」などと表現すればいい。

このように、『ネガポ辞典』が教えてくれるのは、単なるポジティブな逐語訳などではない。視点の切り替えや発想の転換の方法という、生き方のヒントなのだ。

(イラスト/スズキサトル)

■週刊プレイボーイ3・4合併号「人生の修羅場は『ネガポ言い換え』で乗り切れ!』より