先日、産経新聞で『日本の「食」を世界無形文化遺産に』といった記事が紹介され、話題となりました。

 日本は、ロボット技術などの先端科学はもちろんのこと、漫画やアニメなどが世界で注目されています。また、ファッションも「東京カワイイ」とされ、若い女性の視線を集めています。そして今、急速に評価を高めているのが、日本の「食」です。世界のトレンドはヘルシー志向。そんなトレンドを合致する日本食は世界でブームとなりつつあるのです。そして、政府は日本の「食文化」を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に世界無形文化遺産として登録申請しました。書籍『なぜ和食は世界一なのか』の著者・永山久夫氏は「2013年には、日本人が誇る和食が文化遺産に認定される日が近づいている」といいます。

 和食は、「一汁三菜」を中心とするシンプルな食文化。四季もあり、野菜・山菜・海藻・魚といった自然のものがそろいます。そして、これら自然の産物によって構成されているのが、私たちの食スタイルなのです。

 「和食のなかでも一番人気なのが握り鮨。作り方や食べ方がクールに見えるらしい。しかし、鮨はクールなだけではない。伝統が息づいている。色彩が躍っていて、まさにポップカルチャー(庶民文化)の華やかさ。実はあの彩りこそ江戸文化の象徴なのである。浮世絵や歌舞伎を生んだ時代の熱気が、そっくり表現されて伝えられている」(永山氏)

 また、鮨だけではなく、野菜や海藻も基本的には材料に最小限の手しか加えません。つまり、持ち栄養をそのまま残すことになるのです。体に優しい食べ方が、人気を集める理由なのです。

 日本食の人気は数字にもあらわれています。日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、アメリカにある和食の店は14129軒にもなり、10年前の倍以上に。フランスでは約1000軒、イギリスには500軒以上あるそうです。香港には、鮨屋や居酒屋などが約900軒以上。確かに、以前ほど、海外旅行時に日本食に困ることがなくなりました。少し探せば日本食に出会うことができます。

 「和食が世界無形文化遺産になれば、日本の国際的な好感度がもっともっと高くなるのは間違いない。しかし、日本だけの問題ではない。和食が国際的に評価を高め、さらに脚光を浴びることによって、世界の人たちの食への関心が高くなり、食と健康との関係、環境問題などにも注意が向いていくことだろう」(永山氏)

 この時期、多くの人がおせち料理を楽しんだかと思います。そんなおせち料理も、そう遠くない未来には、世界無形文化遺産の一つとなるかもしれません。そう考えると、いま以上に味わって食べたくなってきますね。



『なぜ和食は世界一なのか (朝日新書)』
 著者:永山久夫
 出版社:朝日新聞出版
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