3代目店主の情熱が生んだ傑作、熊本県の「カラコロバーガー」って?

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熊本名産といえば? そう!カラシレンコンだ。

数百年の歴史をもつこの日本の伝統食が、あろうことかハンバーガーに変化し、その絶妙なる味わいでファンも急増しているという。

今回は「カラコロバーガー」という、火の国・熊本のユニークバーガーを全国の皆さんにご紹介しよう。

そのバーガーを販売する店は、店名もズバリ「村上カラシレンコン店」。

熊本市の旧市街地である中央区新町にある。

かの夏目漱石も旧熊本五高、今で言う熊本大学の教官として降り立ったJR上熊本駅の近くだ。

天下の名城・熊本城もすぐそこという距離にのれんを構える村上カラシレンコン店も、当然歴史は古く、現在、店を切りもりしている村上範年さん(41)は3代目という。

カラシみそをレンコンの穴にギュッと詰め込み、コロモに包んで油でさっと揚げたカラシレンコンは、口に入れるとレンコンのサクサク感と、ツンと鼻孔に届くわさびの香りがたまらない逸品だ。

熊本の味としてお土産品としても人気が高いことから、全国的にもファンが多い。

地元では正月のおせちに欠かせない一品だし、人が集まると必ずお膳に並ぶ晴れの場を飾る味だ。

ところが、このカラシレンコンにも弱点はあった。

食べる人の年齢である。

レンコンの強い歯ざわりが勝負といっていい一品であるだけに、年をとって歯が弱ってくると、サクサクとレンコンを割って食べることができなくなるのだ。

ある日のこと。

村上カラシレンコン店とは初代から付き合いがあったというばあさまが、3代目である範年さんの顔をのぞきこみながらぽつりつぶやいたという。

「また、カラシレンコンば食べたかバイ(またカラシレンコンを食べたいなあ)」。

この言葉に刺激された彼が考え出したのが、「カラシレンコンコロッケ」だった。

カラシレンコンをすりつぶしてコロッケにすることで、地元のじいさま、ばあさまに、いつまでもカラシレンコンの味を楽しんでもらおう! そんな範年さんの気持ちが作った斬新なコロッケだった。

そうしてできあがった商品はまたたく間に人気に火が付いた。

全国向けに通販も行われるようになり、そのお手軽さから地元客の固定ファンも増えてきたのだが、店主の範年さんはまだ満足していなかった。

「熊本の伝統食カラシレンコンを、10代、20代の若い世代にもガンガン食べてほしい!」じいさま、ばあさまの気持ちに応えて考えられたカラシレンコンコロッケだったが、若い世代にも自然に受け入れられるためにはどうしたらいいのだろう……。

試行錯誤するうち、彼は新たなアイデアを思いつく。

特性のソースをかけ山盛りのキャベツとともに、バンズにはさんでハンバーガーにしたらどうだろうか! ついに「カラコロバーガー」の誕生である。

味の方はどうだろうか! 口に入れてみると、レンコンのサクサク感をキャベツが肩代わりしてくれて、すこぶる食感がいい。

そして意外なのは、特性ソースとカラシレンコンという和の具材が詰まったコロッケの相性の良さだ。

カラシレンコンの爽やかな味わいに、特性ソースがほどよくアクセントを添えている。

近頃ではTVや雑誌などで評判を聞きつけた観光客が、熊本城を見たついでに同店によく立ち寄っているという。

製造は1日限定50個で価格は300円。

来店して味わうことで、店主のカラシレンコン商品にかける愛情がビンビン伝わってくる。

このユニークなハンバーガー、熊本を訪ねた際にはぜひとも皆さんに試してみてほしい。