靖国神社放火犯を日本に引き渡さず、韓国高裁の判決に韓国ネット上は「よくやった!」

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靖国神社の門へ放火し、日本が日韓犯罪人引き渡し条約によって身柄の引き渡しを求めていた中国人の劉強元受刑者に対し、韓国高裁は3日、「政治犯」にあたるとして日本に引き渡さないとする判決を下した。

韓国のネット上ではこのニュースに対し、喜びの声が集まった。

ソウル高裁はこの日の判決で、「政治的犯である劉強を日本に引き渡すことは、韓国の政治秩序と憲法理念のみならず、多くの文明国家の普遍的な価値を否認することになる」と説明した。

靖国神社については、「法律上は宗教団体の財産とされているが、日本の侵略戦争を主導した戦犯らが合祀されている政治的に象徴性のある場所」だとし、劉元受刑者の犯行は「政治的な大義のために行ったもので、犯行と政治的な目的の間に有機的な関係が認められる」と説明。人命被害がなく、被害も大きくなかったことなどから、犯罪は重大かつ深刻、犯人論的だとは断定し難いと判断した。

同条約では、政治犯と認定された場合は引き渡さなくてよいとされているため、劉元受刑者は直ちに中国に送還されるとみられる。

劉元受刑者は2012年1月、ソウルの日本大使館に火炎瓶を投げ込み、懲役10カ月の実刑判決を受け服役した。取り調べの過程で、2011年12月に靖国神社に放火したことを自供し、日本は同年5月に引き渡しを求めた。しかし、中国は、劉元受刑者を政治犯として中国に送還し、日本には引き渡さないよう要求。韓国の判断に注目が集まっていた。

日本は、政治犯ではなく「放火」の容疑で引き渡しを求めており、「韓国が引き渡しを認めない場合は、条約の不履行国となり、国際的信用の失墜は免れない」とも指摘していた。にも関わらず、ソウル高裁は日本への引き渡しを拒否。当然のことながら、日本側は今回の判決に強い不満を示している。

一方、韓国のインターネット上には喜びのコメントが大量に書き込まれた。

劉元受刑者は以前、韓国メディアに対し、「慰安婦のおばあさんたちや、韓国・中国の国民の尊厳のために実行した」「日本の軍国主義者たちの反人間的な行動に抵抗しようとした」などと話している。

そのため、ネット上には「靖国放火犯なら賞を贈って」「ほっとした」「英雄」「韓国人の代わりにやってくれた」「昔なら独立闘士だ」「中国の安重根だね」などと劉元受刑者の犯行を讃えたり、判決に喜ぶコメントが殺到。韓国で起こした放火で服役していた劉元受刑者に、靖国神社への放火については賛辞を送るという、日本人には理解し難い反応が集まった。

参照:YTN
参照:聯合ニュース

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