松井秀喜は、140人の投手から本塁打を打っている。これを被弾数の順で並べた。

長い表で恐縮です。

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最多は以前にも述べたが、斎藤隆。1年目、3年目に2本ずつ打たれたが4年目の96年は実に7本。これは松井の最多記録。

王貞治は1人の投手から打った最多記録は平松政次の25本だが、1年で打った本数は1962(昭和37)年、阪神の小山正明から打った7本が最多。松井の記録はこれに並ぶ(小山は翌63年に長嶋茂雄にも7被本塁打している)。斎藤隆は逃げずに勝負をする投手だけに、被弾が多かったのだろう。松井と斎藤は斎藤がボストンレッドソックスに在籍した2009年に対戦する可能性があったが、対戦はなかった。

続いて広島の高橋建、ヤクルトの藤井秀吾、石井一久と各球団の一線級の左腕投手がならぶ。松井は左を全く気にしなかった。

高校の大先輩の小松辰雄からも1本。

変わった記録では、松井はヤクルトの山田勉と中日・横浜の山田洋の兄弟両方から本塁打を打っている。



松井の成長は、左投手を克服する過程にみることができる。1996年までは右投手からの本塁打が圧倒的に多かったが、97年以降左投手からの一発が増えて、2002年には28本対22本と大きく逆転するに至る。
左投手を次々とぶつけてくるのを撃破して、松井は最強打者になっていったのだ。

通算本塁打に占める左投手からの本塁打は41.9%。NPBでの投手の左右比率は1:2.5くらいだから、むしろ左投手を得意にしていたと言えよう。

王貞治は868本の内左投手からは192本に過ぎない。率にして22.1%。
松井の左殺しの能力は王貞治をしのいでいたのではないか。