自転車が二極化「ラク」か「楽」へ ライフスタイル提案型サイクルショップが増加

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 自転車に対する接し方が二極化している。実用品としての自転車は通学や買い物のための"足"として「ラク」に移動する電動アシストタイプなどが増える一方で、嗜好品としてレースにも出られる本格的なスペックやファッション感覚で街乗りを楽しむことができるロードバイクやクロスバイクが増加。これまで以上に多様化し個人の「楽」を追求する高額なものが人気を得ており、成熟期を迎えたと言われる市場では"愛車"を手にしたサイクリストの1度きりの来店を防ぎ、顧客に頻繁に足を運んでもらえるよう自転車を通じライフスタイルを提案するショップの出店が目立っている。

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 エコや健康志向に加えて、長年続く厳しい経済環境の影響で、近年、車に代わる移動手段として自転車を利用する人々の数が拡大した。これに伴い鉄道やバスを使い職場に通っていた人が自転車に乗り換える「ツーキニスト」の登場や、自転車レーンの設置をはじめとするサイクリング空間の整備、シェア・サイクルの導入など、全国で自転車利用に関する多種多様な取り組みが行われている。売り手も新コンセプトを取り入れたショップを続々と出店しており、「LOUIS GARNEAU(ルイガノ)」はアパレルや雑貨も揃える国内初の直営店を吉祥寺にオープン。原宿と代官山で「生活と自転車」「遊びと自転車」を伝える「F.I.G bike(フィグバイク)」は、カゴやバッグといった小物を充実させた通勤自転車専門店「POTAVEL FIGO!(ポタベルフィゴ)」を昨年代官山の鎗ヶ崎交差点に出店した。

 2007年に「fashion+bicycle」をコンセプトにスタートした自転車アパレルの先駆け的存在「narifuri(ナリフリ)」は、2011年にオープンした恵比寿西の1号店を皮切りに、昨年11月には新ショップ「charifuri(チャリフリ)」を1号店階下の1階に出店。オープンからこれまでは「30代から40代の男性を中心に比較的高い年齢層のお客様が多い」(narifuri 広報担当 松井達志さん)といい、約10坪のコンパクトな店内では業界大手ブリヂストンサイクルと協業した都会を"サヴァイブ"するための自転車ブランド「HELMZ(ヘルムズ)」やカラフルなキッズバイクを揃える。「charifuri」の店長 福永弦生さんは「震災以降、自転車通勤を推進する企業も出るなど通勤や普段使いで(自転車を)取り入れるお客様は多い。市場の成熟とともに自分らしさを求めるサイクリストが増えているのでは」と話しており、街乗りと家族のための新感覚の自転車スタイルを提案していくという。

 日本最大級のスポーツ自転車フェス「CYCLE MODE international 2012(サイクルモードインターナショナル 2012)」では東京・大阪両会場の来場者が昨年比約1万人減の47,109人と2010年頃をピークに減少傾向が続くが、サイクルウェアのファッションショーや女性を意識したデザインのギアなどを揃えたライフスタイル提案型のブース出展が増えている。「Levi's® COMMUTER(リーバイス® コミューター)」や「H&M for Brick Lane Bikes(エイチ&エム フォー ブリック・レーン・バイク)」などアパレル業界も続々と市場に参入するなか、今後は"没個性"を象徴する周辺機器やウェア、アクセサリーのラインナップ拡大が「楽」を求めるサイクリストの新規取り込みに繋がりそうだ。