サンドイッチ的な食べ物の話




米、小麦、とうもろこしなどの主食になる「炭水化物」で、肉類などの具になる「たんぱく質」を、包んだり、はさんだりする料理は世界中にあります。日本では……「おにぎり」ですね。どこに行ってもあるこの種類の料理を紹介します。



■おにぎり



まずは日本です。「おにぎり」はどのくらい昔からあるのでしょうか。日本は弥生時代以降ずーっとお米を主食と考えてきました。もちろん耕作地や気候などの制約で、それ以外の穀物を食べざるを得ない地域もありましたが、「お米を食べたい」という国でありました。実はおにぎりはすでに弥生時代にあったのではないかと考えられています(「ちまき」じゃないかの説あり)。



北金目塚越遺蹟から出土した、炭化した米粒の塊は現代にそのまま通じる三角形型で、日本人なら誰もが「おにぎりだ!」と言ってしまうでしょう。



■サンドイッチ



日本ではおにぎりですが、この炭水化物部分を米からパンに替え、中の具をサケからハムに替えれば、サンドイッチですね。サンドイッチは、第4代サンドイッチ伯爵のジョン・モンタギュー(1718年-1792年)にちなんで付けられたと言われています。



ただ、このサンドイッチ伯爵がサンドイッチを発明したわけではないようです。伯爵は国務大臣まで務めた要人でしたが、賭博が大好きでした。ゲームを楽しみながら食事ができる「この食べ物」ばかり食べていたそうです。



そこから「この食べ物」をサンドイッチと呼ぶようになったとのこと。



■饅頭から包子へ



中国は広いです。米を主食としない地域では、小麦粉を練って発酵させ、これを蒸して「パン」のようにします。これが饅頭(まんとう)です。この主食、炭水化物の中に、肉などの餡(あん)を入れて包めば「包子」(ぱおず)になって、見事におにぎりやサンドイッチの仲間です。



日本では中華まん、肉まん、豚まんなどと呼ばれ、軽食やおやつになっていますが、発祥の地、中国の小麦作地方では、饅頭、包子はあくまでも主食。同様のものに「餃子」があります。これも中国では主食の1つ。



そのため、中国の人からは「餃子定食」がとても不思議に見えます。なぜ主食の餃子と主食の米を一緒に食べるのか、と。



■生春巻き



米粉で作ったライスペーパーを用いて、豚肉、エビ、野菜などを包めば、ベトナムの「生春巻き」になります。中国原産の揚げ春巻きとは異なり、ライスペーパーのふんわりとした食感、柔らかな甘みが味わえる、ベトナムを代表する料理です。



■バイン・ミー



ベトナムはフランスの植民地だった過去があります。そのため、フランスの文化が流入して「ベトナムの食」に大きな影響を与えました。もともと、米食文化だったベトナムに「パン食文化」も根付いたのです。



ベトナムのサンドイッチは「バイン・ミー」と言いますが、ちょっと変わっています。まずパンです。フランスの影響で、見た目はフランスパンっぽいのですが、皮がとても薄くて中身はふんわり柔らかです。



パンにはまずバター、パテ(鴨、レバーなど)を塗ります。これにハム、甘酢漬け野菜、香菜、青ねぎ、ヌックマムを振ってできあがりです。ホットが好きな人は唐辛子を入れます。



ベトナムには、屋台の店なども含めてバイン・ミー屋が多くあります。具のハムにも、牛、豚など数種あり、ソーセージ、豚耳まであります。ベトナムに旅行した際にはいろいろな味を試してみるといいでしょう。



■サバサンド



焼き魚をパンにはさむ。魚好きな日本人でもやりませんが、トルコにはあるのです。イスタンブールのB級グルメ「サバサンド」です。さすが、アジアとヨーロッパの中間に位置する都市です。ジュウジュウとサバを焼いて塩で味付けし、スライスオニオン(野菜は店によっていろいろ)と一緒にパンにはさんで渡してくれます。レモン汁をパパっとかけて熱いのをがぶっといきます。野趣あふれる屋台の料理ですが、とても美味しいのです。



■タコス



米、小麦を主食としない地域もあります。メキシコでは昔からとうもろこしの粉で作った薄いパン、トルティーヤ(最近では小麦粉を材料とするものもトルティーヤと呼ぶようになっている)を主食としてきました。トルティーヤをさらに薄くのばして、餃子の皮状にして、その中に具を入れ、サルサソースをかけて食べるのが「タコス」です。



具は本当にいろいろあります。肉ひとつとっても、牛、豚、鶏、羊、ヤギなど種類は様々ですし、サイコロステーキ状にする、ひき肉にしていためる、ケバブ風に焼いてスライスするなど調理法も色々です。



■トルタ



メキシコでは、フランスパンのようにぷっくりしたパンに横に切れ目を入れて、肉やら野菜などをはさんだものを「トルタ」と言います。メキシコ版のサンドイッチですね。メキシコなので、香辛料の利いた、ホットないため肉料理などをはさんでかぶりつきたいところです。



■ブリート



小麦粉で作ったトルティーヤで、クレープのように具を巻くと「ブリート」になります。中の具には、牛肉のバーベキュー、ソーセージのトマト煮込みなどさまざまなものがあります。煮たインゲンマメ、レタス、トマト、サルサソース、ワカモレ、サワークリームなどを一緒にぎっちり巻きます。



1本食べるとおなかいっぱいになるほどのボリュームです。ちなみにブリートとは、スペイン語で「小さなロバ」という意味です。巻いた格好がロバの耳に似ているからだと言われています(諸説あり)。



■ピタパン



最近、日本でもメジャーになってきた「ピタ」。中東、北アフリカ、地中海岸で食べられている、袋状になった(ポケットのある)パンです。一説によれば、ピタはこれらの地方で数千年に渡って食べられているそうです。



具をその中にはさむこと前提のような構造になっているので、大昔からサンドイッチのようにして食べていたのでしょう。具は地方によって異なっていますが、ケバブ(中東のくし焼きの焼き肉)やスブラキ(ギリシア風のくし焼きの焼き肉)などの肉類、ファラフェル(ヒヨコマメやソラマメから作った野菜コロッケ)、豆の煮込みなどが有名です。







(高橋モータース@dcp)