2012年は、「働き方」が注目された1年でした。自らの職業を「フリーランス」と呼び、決まり決まったオフィスなどの場所を限定しない働き方「ノマド」を提唱した安藤美冬さん。ブログを執筆することで、広告やアフィリエイトでの収入を得て生活している「プロブロガー」のイケダハヤトさん。

 安藤さんは、『冒険に出よう』。イケダさんは、『年収150万円で僕らは自由に生きていく』と、お二方とも2012年に初となる書籍を上梓しました。きっと時代が、彼らに代表される自由な働き方を求めているのでしょう。

 では、果たして、本当に「フリーランス=自由」なのでしょうか。イメージのみで語られてしまいがちなフリーランスの現実を突きつけるのが『フリーランスの教科書』です。

 本著に登場するのは、会社を辞めてフリーランスになったばかりの「僕」。初めての確定申告を終えたばかりの「僕」は、フリーランスになるということは、今まで会社に任せっきりだった経費精算、年金、契約などの責任を「全部引き受ける」ことであるという事実を突きつけられます。

 例えば、保険の話。サラリーマンの場合は、労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金という4つの社会保険に加入することが出来ます。しかし、フリーランスはあくまでも個人事業主。加入できる保険は、「健康保険」と「国民年金」の2種類のみです。

 労災保険へ入っていないので、たとえ仕事中に怪我をしたとしても、給付金が支給されません。病気や怪我による長期の休業補償もありません。保険料だって会社負担分がなくなるので、倍になってしまいます。煩わしい手続きから逃れられていたという面では、サラリーマンの方が、自由が多かったりするのです。

 それでも、場所や時間にしばられず、会社の名前ではなく、自分の能力で勝負できるのもフリーランスの特徴。不利な面も少なくはないですが、営業や広報、経理も社長業も全て自分で行い、人生を切り拓けることは大きな魅力でもあります。

 新しい年に、会社を辞め、一人で生きていくことを考えている方も、いらっしゃるのかもしれません。その門出に、本書を携えてみてはいかがでしょうか。



『フリーランスの教科書 (星海社新書)』
 著者:見田村 元宣,内海 正人
 出版社:講談社
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