プロのアナウンサーは、どれくらいのスピードで話しているか




●1分間に600字程度

放送局のプロのアナウンサーに聞いてみた。目安として、1分間に仮名で600字程度とのこと。これは「音(おん)」のことであり、漢字が入るともっと短くなるということだった。以前はこれよりも遅かったとのことだが、森本毅郎(もりもと たけろう)さんの「NHKニュースワイド」あたりから、キャスターニュースという形式が確立され、このスピードが定着したらしい。







●番組によって異なるスピード

スポーツ番組や深夜のラジオ放送などではどう異なるだろうか?スポーツ番組の場合は、試合の流れによってリズムで話す必要がある。例えば競馬の中継では、スタートしてからすぐはゆったりとしたスピードで、第3コーナーを回ったあたりからスピードを出して話すとのこと。



これは原稿がなく、その場の状況をみながら瞬間に判断して伝えるわけで、混戦の場合は、より早口になる。また、深夜のラジオ番組では、放送局によって方針が異なるようだ。民放の場合、かなり早口で話す場合もあるが、NHKの「ラジオ深夜便」などはかなりゆっくり話している。



これはゆったりした気分で夜を過ごしてほしいという方針を反映している。



一方、アナウンサーではないが、法廷弁論は、まくしたてる場面があり、瞬間的にはかなり早口になるらしい。



●お天気キャスターはアナウンサー?

お天気キャスターは、気象予報士であり、正式にはアナウンサーではない。しかし、TVに出ている気象予報士は、フリーなどのアナウンサー経験のある人がほとんど。つまり、アナウンスの基本を身につけている人たちなのだ。



●伝えるテクニック

では、プレゼンやスピーチなどで大切なことは何だろうか。原稿をうまく読むことではなく、相手に伝えることである。その中で注目すべきテクニックがある。最も伝えたいことを際立たせることを専門用語でプロミネンス(卓立 たくりつ)という。



最も伝えたいことの前にポーズを置き、キーワードをゆっくりと言うなどのテクニックがそれにあたる。こうした観点でプロのアナウンサーがどう話しているか観察してみてはどうだろう。





(文:深山敏郎/(株)ミヤマコンサルティンググループ/コミュニケーションズ・スペシャリスト)



●著者プロフィール

コミュニケーション改善の請負人として、高級ホテル、外食チェーン、外車ディーラー、IT企業など、20年で延べ4万人あまりを直接指導。夢は、英国でシェイクスピア芝居を英語で上演すること。

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執筆協力:石井公一(いしいきみかず 中小企業診断士)