「安倍新政権でもインフレにはならない」荻原博子が断言



「安倍氏のインフレ目標では庶民にお金は回ってこない」と、経済ジャーナリストの荻原博子さんは断言する。政権交代で家計はどうなるのか、荻原さんに聞いた。


「自民党が衆院選で勝利し、アベノミクスなどといわれ盛り上がっています。円安株高が進み、金融緩和でインフレがくるとの見方がありますが、これで景気が回復するかというと、お金が庶民までは回らないのが現実。小泉・安倍政権の2002〜’07年のときもそうでした。景気はよくなっても収入は減り続けたのです」


その二の舞になる可能性を考えて、’13年は財布のひもを一層きつく締めていかなければならない、と荻原さんは言う。


「安倍政権がさまざまな金融政策を打ち出してもデフレは解消されず、庶民の給料は一向に上がらない事態が想定できます。もともと企業がグローバル化の流れに対処するべく、大幅な人件費のカットを行ったために給料が上がらず、買い控えが続いていることがデフレの一因だからです。これを解消する雇用対策を打ち出さない限り、デフレ脱却は難しいでしょう」


’13年は所得税、住民税や、法人税に対して、復興特別税が課されることも忘れてはならない。


「所得が減るなかで現金の価値は増すので、ムダを省いてお金をためる習慣をより強化していくことが大切です。中学生以下のお子さんがいる家庭では、年少扶養控除もすでに廃止になっていますので家計は厳しくなるでしょう。デフレ下では現金を抱えているだけで価値が上がることを考え、お金を抱えたまま増やす方法を考えていくことを心がけましょう」