ドバイでの『グローブ・サッカー・アワード』で、レアル・マドリーのジョゼ・モウリーニョ監督はディエゴ・マラドーナと同じテーブルに座った。長く話していた同監督は、こう話している。

「彼はサッカーだ。私は違う。選手は監督には決してない名声や権威があるからね。私がもしも彼を指揮できていたとしたら、シンプルに彼に合わせていただろう。このような選手がいれば、それしかできないさ」

「パリ・サンジェルマン(PSG)へ行くためにレアル・マドリーを去る? それはないと思う。PSGの指揮官は優秀であり、リーグを制覇するだろう。そうなることを願うよ。私はカルロ・アンチェロッティが好きなんだ。彼がパリで長く幸せでいられるように願っている」

アンチェロッティ監督に優しい言葉を用いたモウリーニョ監督だが、GKイケル・カシージャスにはキツいメッセージを投げている。

「カシージャスのようなモニュメントを外す勇気があった? どうして彼がモニュメントなんだ。モニュメントはレアル・マドリーだ。そして、監督はマドリーのためにベストと思うことをしなければならない。勇気は必要ないと思う。ごく普通のことだと思うね。過去にやったことよりも、今後やりたいことを考える人間の方が好きだ」

モウリーニョ監督にとって、今は絶頂期ではない。レアル退団のうわさはますます強まっており、マラガ戦で敗れてから、スペインのメディアはカシージャスのようなシンボルを外したモウリーニョ監督を批判している。

だが、モウリーニョ監督は「私はプレッシャーに慣れている」とコメント。その上で、「ひどい一週間のように思えるかもしれないが、実際はファンタスティックだったよ」とつけ加えた。この7日間は彼にとっても息抜きに役立ったということだ。だが、いつもの気迫を失ったわけではない。

「監督の任務は、選手がやりやすく感じられるようにすることでなければならない。チームの全員が幸せじゃなければいけないんだ。だが、25人のさまざまな文化の選手がおり、簡単なことではないんだよ。それに、商品を売らなければいけないメディアもいる。そして、ときにはウソも商品なんだ」

レアルのテーマは、「サッカーには一つのルールがある。チームを決めるのは監督だ。それだけだよ」と締めくくられた。リーガ連覇がもはや遠ざかった今、モウリーニョ監督のレアルでの3年目はチャンピオンズリーグに懸かっている。

マンチェスター・ユナイテッドと対戦する2月の決勝トーナメント1回戦で、彼らはどのようにリスタートするのだろうか。とはいえ、まだ先の話でもある。だからからか、モウリーニョ監督は「(アレックス・)ファーガソン監督のワインの好みを知っているから、数百ユーロはかかる遠征になるだろうな」と冗談を飛ばした。

また、モウリーニョ監督はイタリアや、彼が愛する古巣インテルについても言及している。

「(ヴェスレイ・)スナイデル? 彼の状況は知らない。ヴェスのような選手は世界になかなかいないと思う。私がどれだけのインテリスタかって? 100%さ。それは決して変わらない。インテルでの2年間は忘れられないものだった。友人たちが恋しいよ。インテルにはたくさんの友人がいるんだ。だが、出て行くという選択をしたことを振り返ったりはしない。ファンタスティックだったし、いつか戻るかどうかは誰にも分からないが、一度インテリスタになればずっとインテリスタなんだよ」