ゆとり世代は何がダメ?−ゆとり世代職場での傾向−

2002年度に導入された『学習指導要領』、通称「ゆとり教育」。
その世代を経験した若者が、近年続々と社会人になっています。

筆者は、丁度アラフォー世代。周囲の友人・知人は、会社内ではそれなりの役職についている頃合でもあります。

【関連:「メシマズ嫁」の笑撃レシピ2012】
 
そんな知人たちとの酒の席でよく耳にするのが
「ゆとり世代はダメだね」
という話題。

一体何がダメなのか?匿名を条件に、現役の管理職総勢10名に取材を試みました。

そこで浮かび上がった「ゆとり世代」のちょっと驚くべき職場での実態。
今回はそれをご紹介したいと思います。

 

−−遅刻・休み・退職の連絡を親が入れてくる

会社を遅刻する、休む、退職するという連絡を親がしてくることがあるそうです。

開発会社で総務を担当するSさんは、はじめてそういう電話を受けた際、かけてきたお母様に「○○君本人から連絡させてください」と伝えたそうですが、「○○は熱があり電話に出れません」と断られたとのこと。
相手がお母様なので、あまりきつくも言えずその場を収めたそうですが、翌々日出社した彼が、そのことについて全く悪びれた様子でもなく、思わず注意する気が失せたそうです。

その他には、映像会社で制作部の部長を務めるAさんが、退職の連絡をお母様から電話でうけたことがあるそうです。
その方の場合は、本人希望で部署を移動してきたばかりということもあって、驚くやら呆れるやら……何も言えなかったそうです。しかも会社に残してあった私物の数々は宅配便で送って欲しいと言われたとか。元払いで彼の実家に送ってあげたそうです。

取材に協力いただいた他の方からもこうした意見は多く、休みの連絡などは親から連絡があることはあまり珍しくなくなっているようですね。

他には、年度末に部署総出で決算作業をしていたところ、女子社員のお父様から「女の子に残業させるな!」とお叱りの電話がかかってきたとう経験談も……。ちなみにその会社、終業時刻は18時で、お電話があったのが21時くらいだったそうです。

 

−−叱ると「遠い目」をする

「叱っている最中に、反省する風でもなく何か遠くを見つめている−−」。
総括するとこういう風な意見がいくつか見られました。

マーケティング会社で課長を務めるEさんの部下の場合では「怒られながらニヤニヤしはじめた−−」。という事もあったそうです。

上司に叱れれる!というと、「とにかく一生懸命謝らなければ!」という風に考えたものですが、どうも「ゆとり世代」に限らず、最近の若者は、「叱られている=違う事を考えてこの場をしのぐ」という風に発想を転換してしのいでいるみたいですね。
余談ですが、今回叱る側の上司の皆さんに、「ネチネチ叱っていませんか?」という質問もしてみました。回答は、「最近の子たちは簡単にモチベーションを崩すので、叱る時はきつくならないよう注意している」という意見が多く、上司側の気苦労もかなり見え隠れしていました。

 

−−頑張らない

ひと昔前の新入社員といえば、「常にがむしゃら」という風な全力疾走タイプが多かったですが、特に「ゆとり世代」の場合、入社した時点から特に頑張る風でもなく、言われた事だけを淡々とこなすタイプが多いよう。

先にも登場した開発会社で総務を担当しているSさんのコメントでは、『自分の手が空いた時「他にすることありませんか?」と率先して聞いてくる新入社員が減ってきた。』というボヤキがありました。

他にも「とにかく指示待ちが多い」「作業が終わっても上司が見に来るまで待っている」。など、率先して行動する人が減ってきている。そういう意見が多く見られました。

 

−−頑張らないけど出世欲は強い

叱ったあとのフォローなどで、管理職としては心砕くことも多く、その後「ランチに誘う」事があるそうです。
そういう場などで「将来の夢」や「今後の展望」について聞いてみると、普段の仕事ぶりからは想像もつかない程の夢を語るのだとか。

例えば、システム開発会社の営業部・Mさんの部下に、N君という普段、遅刻・欠勤の多い契約社員がいるそうです。
その子に、将来の展望について聞いたところ、本人曰く「あと半年も頑張れば社員、更に半年も頑張れば主任」というトントン拍子の出世階段を描いているのだとか。
でも現実には程遠く、出勤状況の悪さ、仕事中よくサボる、仕事覚えが悪い、勝手にバイトに指示を出すなど、誰がどうみても問題山積で、実際は次回の契約更新も悩ましいところだそう……。

「そうなりたいならちゃんとまず会社に来て、仕事も頑張らないとな!」ととりあえず励ましてみたところ……遠い目をされたそうです。

 

今回ご紹介したのは、恐らく極端な部分。全てが全て「ゆとり教育」を受けた世代には当てはまらないと思います。
今回取材に協力していただいた人すべてがそれは認識しており、「ゆとり世代に生まれたから“ゆとりは…”って言われるのもある意味可哀想だよね」という意見も多々聞かれました。

ただ、近年の新社会人にはこういうケースも少なからず起きており、そうした人達が、「ゆとり世代」に当てはまる人全体の足を引っ張っているのかな?という気もしました。

そうそう。私たちアラフォー世代もひと昔前は「新人類」って呼ばれた時代があったんですよ。
思い返せば、新入社員の頃、今の私たちと同じように昔の上司をいつの間にか困らせていたのかもしれませんね。

※新人類:従来とは違う価値観や行動をする若者を揶揄した言葉。

(文:宮崎美和子)