三国志の英雄たちを祀った武侯祠 (Photo:©Alt Invest Com)a

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 これまで、安徽省の合肥、海南省の三亜とバブル化する中国の不動産市場を見てきたが、ここでは内陸部の中核都市・四川(Sichuan)省の省都・成都(Chengdu)を例に、なぜこのような異常な(と思える)バブルが増殖するのか、そのメカニズムを考えてみたい。

[参考記事]
●中国の地方都市・合肥で起きている不動産バブルの実態
●中国・海南島、「中国のハワイ」に忍び寄るリゾートバブルの終焉

 基礎データとして、四川省の公式人口は8700万人(成都は1000万人)、東に位置する重慶(人口3000万人)も、内陸部振興のため1997年に直轄市になる以前は四川省に属していたから、四川・重慶の経済圏は人口で見れば日本に匹敵する。

 成都は三国志の時代の蜀の都で、軍師・諸葛亮を祀った武侯祠には蜀漢の初代皇帝劉備や関羽、張飛など武将の塑像が鎮座し、多くの観光客を集めている。それ以外にも町を囲む府河、南河の川沿いに歴史的な建造物は多く、パンダの故郷や四川料理でも有名で、中国内陸部の都市では西安と並んでその知名度は圧倒的だ。

 中国内陸部が今後、沿岸部並みの経済発展を遂げるなら、その中心に位置する成都が北京や上海に匹敵する大都市になっても不思議はない。成都の中心部では大規模なショッピングセンターや高層コンドミニアムの建設が急ピッチで進んでいるが、これを“バブル”と決めつけていいのか判断が分かれる理由だ。

 ソフトランディング派は、「現在の不動産価格が割高なのは間違いなく、ある程度の調整は避けられないだろうが、ひとびとの不動産購入意欲は高く、賃金も上がってきているから暴落のようなことは起こらない」という。外資系企業の駐在員などが住む高級コンドミニアムは借り手がつかず、空室が増えているというが、この町の潜在成長力を考えればたんなる景気の踊り場に過ぎないのかもしれない。

 しかしこうした楽観論は、成都郊外で建設中の新都心・世紀城(Century City)を見たとたんに一瞬で吹き飛んだ。3年ほど前に訪れたときは国際展示場と外資系ホテルしかなかったのに、市街と結ぶ地下鉄が開通したこともあり、今では見渡すかぎり建設用クレーンが林立している。そこでは荒地を大都会に変える、とてつもない規模の不動産開発が行なわれていた。

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