2.05%、2.06%、2.10%…。この数値は、今夏以降の熾烈な金利競争の末にネット証券各社が決定した現時点での制度信用取引の買い方金利だ(冒頭の金利は左から順に、岡三オンライン証券の大口向け、カブドットコム証券の大口向け、GMOクリック証券の通常金利)。

 2013年1月開始の新しい信用取引制度を目前にして、証券各社は2012年8月ごろから投資家の囲い込み競争を行ってきた。各社が競い合ってきたのは、主に大口顧客向けの買方金利だ。上記の証券会社以外でも、SBI証券、楽天証券が大口向けの金利引き下げを行なっている。現時点での詳細なコスト比較は、こちら(「【データ集】2013年からの制度変更でトレードしやすくなる!大注目の『信用取引』コストを各社徹底比較!」をご覧いただきたい。

 新しい信用取引制度では、1日の中で同一資金を使った回転売買が実質的に可能になる。これはデイトレーダーのみならず、一般のトレーダーにとっても銘柄の乗り換えや買い直しなどを行なう際に非常に助かる。この制度変更で、株式市場の取引は従来より活発になる可能性が高い(新制度の詳細はこちらの記事参照)。

手数料0円、金利0%で取引できるというのは本当か?

 松井証券は、2012年8月以降の各社の金利引き下げ競争に加わらなかったが、12月に入って、これまでの証券会社とは違った形で新サービスを打ち出してきた。それが、「一日信用取引」だ。

 デイトレードに限り手数料は無料、金利(買方)、貸株料(売方)は、1注文あたりの約定代金が300万円未満なら2%、300万円以上なら0%とする。

 2%という金利は、買方金利としては業界最低水準だし、そもそもデイトレードなので金利は気にするほどかからない。さらに、300万円以上の約定なら金利はゼロ。新制度の信用デイトレードの場合、松井証券がもっともお得に取引ができる証券会社と言えそうだ。具体的なサービスの内容は、下の表を参照してほしい。

■松井証券 「一日信用取引」の概要
サービス開始日程 口座開設受付 2012年12月29日(土)
取引開始日 2013年1月4日(金)
取扱銘柄 原則、松井証券取扱の無期限信用取引と同一
新規買 取引所に上場する全銘柄
新規売 松井証券が選定する銘柄
(551銘柄:12月5日時点)
弁済期限 新規建日当日
委託手数料 デイトレード時 無料
翌日以降 約定代金×1.05%(最低手数料21円)
金利・貸株料
(デイトレード時)
2%(1注文当たりの約代金合計:300万円未満)
0%(1注文当たりの約代金合計:300万円以上)
金利・貸株料(翌日以降) 2%
※2012年12月27日時点

 

 信用取引について、多くの証券会社が大口取引の顧客に対して優遇金利を提供する理由は、「大口利用者ほど実質的な金利収入が高くなるから」と考えられる。ところが、松井証券は、300万円以上の取引金額では金利が0%になる。つまり、証券会社にとって収入が見込める部分を「ゼロ」にしてしまったのだ。

 利用者にとってはありがたい話だが、デイトレーダーがバンバン取引しても、松井証券は、あまり収入が得られない。これで大丈夫なのだろうか? 

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