穀物は、来年も上昇トレンドをつかんで儲かるチャンスあり!
2012年、世界最大の穀物生産地域である米国中西部を50年ぶりといわれる大干ばつが襲い、国内の穀物価格も連日高騰した。このときの上昇トレンドで買って儲けた投資家も少なくなかった。2013年もその余波はありそうだ。


2000年代に入り、米国株とドルの下落、そして中国を筆頭とする「アジアの爆食時代の到来」などで、世界の商品価格は上昇傾向にある。

特に2007年のサブプライムローン問題以降は、米国の金融機関が合併あるいは倒産する中で、それまで株式や国債に偏っていた各国の金融資産が、「ラストリゾート」として米国の商品先物市場に大挙して流れ込んだ結果、商品価格は大きく上昇した。

たとえばニューヨークの金先物価格は、2003年4月7日に1トロイオンス=322.2ドルだったものが、2011年9月6日にはついに1923.7ドルとなり、ほぼ6倍に。原油価格も2003年4月29日の1バレル=25.24ドルが、2008年7月11日には147.27ドルとほぼ6倍になった。2012年9月現在は90ドル前後の推移。では、2013年はどう動くのだろうか?

「結論から言えば、金と原油はトレンドがなくなっている時期であり、来年も今年と同じように一定のレンジでの上下動を繰り返す動き。穀物は、再び上昇する動きになるとみている」と語るのは、ここ数年、商品先物市場のアナリストとして人気が高まっている(株)コモディティ・インテリジェンスの近藤雅世氏だ。「金価格は、10月16日時点のニューヨーク市場におけるファンドのネット買い残(買いから売りを引いた残高)が22万6093枚と今年最大に近く、ファンドは決算対策のために年末までに金を売る可能性がある。金価格はそこで一度下がるだろう。その後は、株式や国債などの他の金融資産の人気次第、あるいはイランとサウジアラビアの紛争問題次第という展開になるとみている。原油についても、世界の原油埋蔵量は1980年の6834億バレルから2011年には1兆6526億バレルに増えているので供給は過剰状態。上がりにくい状況だ」と語る。

ただし金については、各国の中央銀行は今も毎月、金購入を継続。「公的売却」がないため、「下がっても1500ドルあたりには抵抗線がある」と、近藤氏は語る。逆に言えば、有事があれば、再び上昇に転じる可能性もあるということだ。

穀物については今年、世界最大の穀物生産地域である米国の中西部を50年ぶりといわれる大干ばつが襲い、国内の穀物価格も連日高騰した。この上昇トレンドで買って儲けた投資家も少なくなかった。2013年も、余波はまだありそうだ。それは、10月11日の米国農務省による穀物の需給予想で、「12年度・13年度産は生産量が減少しているが、需要もまた11.3%減っている」としていることに首をかしげる関係者が多いことからも明らかだ。「農務省の需給発表は価格変動を避けるために、まずはゆるめに言い、後日修正されることが多い。例えばもし今年と同じ需要量なら、来年8月の期末在庫はマイナスになってしまう。だから需要も減少と言っているのではないか」(近藤氏)というわけだ。米国の需給報告から目を離さないほうがよさそうだ。筆者は来年、トウモロコシが1ブッシェル700〜900セント、大豆が同1500〜1900セントのレンジと予想している。

益永 研(KEN MASUNAGA)
MK ニュース社代表

1987 年から5 年間、商品先物業界紙 記者としてシカゴに駐在した後、1994 年に独立。米国、アジアの商品先物 市場に精通する専門記者として定評がある。現在は「先物ジャーナル」 紙主幹。



この記事は「WEBネットマネー2013年1月号」に掲載されたものです。