日本の住宅は明るすぎ? 暗めの照明でも生活に問題はなし - 照明の効果実験

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LIXIL住宅研究所は2月14日〜24日と6月26日〜7月6日にかけて、「住宅空間における照明の効果実験」を実施した。

実験の結果、一般的な照明よりも暗くても、読み書きやリラックスに問題がないことを実証したという。

同調査は、「日本の住宅照明の明るさは明るすぎるのではないか?」という疑問から、生活シーンに合わせた最適な照明空間とエコな照明の提案を検討するために実施したもの。

東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授指導のもと、次世代スマートハウス「GURU GURU」のリビングダイニングにて、大人(35〜46歳)40名、子ども(10〜12歳)39名を対象に実施した。

今回はJIS(日本工業規格)で読書・勉強に必要とされている500〜1,000ルクスより暗い、250〜350ルクスの明るさで、人の作業効率、気分の変化、自律神経系の指標を調査した。

作業効率実験では、一桁の計算問題、認知テストを行ったが、大人・子どもとも明るさの違いにより効率が変化することはなかった。

気分の変化の実験では、大人は明るい方が計算問題がやりやすく、字が読みやすいと感じている。

250ルクスの明るさでは若干他の明るさより値が低いが、350〜600ルクスでは大きな変化は見られなかった。

子どもは250〜600ルクスでの明るさでも、気分の違いは見られなかった。

続いて自律神経系への影響だが、安静時、一桁の計算問題、認知テスト、記憶テストなどどの作業をしていても、大人・子どもとも明るさの違いによって、緊張・精神的ストレス・リラックス状態への有意な影響は見られなかった。

今回の実験の指導教授川島隆太教授は、「感性の領域(気分)は明るさの影響を受けていたが、『知性』の領域である認知機能や、『身体』の領域である自律神経機能には全く影響を与えていないことは新しい発見」とコメントしている。

同研究所はこの実験結果をふまえ、一般的な照明計画と実験計画を反映した少エネ照明計画を発表している(※)。

それによると、年間照明ランニングコスト(電気代・交換ランプ代)は2万3,248円節約でき、年間CO2排出量も585kg削減できる計算となった(試算協力は大光電機)。

※少エネ照明計画は、LED照明使用、リビングダイニング、居室の机上面は約250ルクス、部屋の端は100ルクス以下で計算