「UT」、UNDERCOVERとの「UU」プロジェクトほか、話題のデジタルプロジェクトの仕掛人、ユニクロ松沼礼氏インタビュー (第2回/全4回)

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取材・文・写真: 編集部

(第1回/全4回)「UT」、UNDERCOVERとの「UU」プロジェクトほか、話題のデジタルプロジェクトの仕掛人、ユニクロ松沼礼氏インタビュー

日本国内のみならず海外でも積極的に展開し、日本のアパレルとして初のグローバル・カンパニーを目指すUNIQLO (ユニクロ)。今年9月には、BIC CAMERA (ビックカメラ) と共同で同社がグローバル繁盛店と位置づける新業態「BICQLO (ビックロ) 」を新宿にオープンし、より一層注目を集めている。
そして今年で10周年を迎えるTシャツ・ブランド「UT (ユーティー) 」。同ブランドは2002年にUNIQLOのTシャツ・プロジェクトとして始動し、国内外のアーティストや企業とコラボレーションをした独自性の高いデザインで高い評価を得ている。このUT事業に2004年から携わり、現在同プロジェクトのチームリーダーを務める松沼礼氏に話しをうかがった。彼は話題性のあるデジタルマーケティングの企画や、UNDERCOVER (アンダーカバー) との「UU (ユー ユー) 」プロジェクトの仕掛け人でもある。


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- 入社してからの活動はどんなものでしたか?

UNIQLOに入社して一番びっくりしたのが、あのKeith Haring (キース・ヘリング) やAndy Warhol (アンディ・ウォーホル)、Barbara Kruger (バーバラ・クルーガー)などといった自分が昔から敬愛して、影響を受けていたアーティストたちと実際にコラボレーションをしていたことなんです。入社するまで知りませんでした。すごくやる気が出ましたね。Barbara Krugerは、特に好きなアーティストだったので、自分に彼女の作品を使ったTシャツ作らせて欲しいと頼みました。デザインといっても、彼女のアートワークをそのままTシャツに落とすという作業だけだったのですが、携わらせてもらえて光栄でした。あと、その商品のアプルーバルを取るときも、たまたま本人が来日していたので直接会うことができました。もう本当にうれしかった。いろいろと自分がやりたいことや、世の中にインパクトを与えられるようなことを考えていったら、この会社にはすごいチャンスがあるのではないかと思ったのはそのときです。

- UTの前から結構コラボレーションはやっていましたよね?

そうですね。入社する前は、モノを作っても、自分の周辺の限られた範囲にしか影響は与えられなかったのですが、UNIQLOで作ると、日本中の人の目に触れるようなモノとして世の中に出ます。将来的には世界中の人の目に触れることもある。それでグローバル展開を考えている会社でモノ作りをするというのは、非常に意義があることだと思いはじめました。一方で当時のUNIQLOは、特にメンズウエアはそうでしたが、ファッション誌ではあまり扱われていませんでした。フリースブームが過ぎ去ってから、“ユニバレ”という言葉が流行したり、日本ではUNIQLOは別にかっこいいというわけではなくて、安くて悪くないそれなりのモノが買えるというのが一般的な認識でしたね。自分の回りでおしゃれな印象の人はまず着ていなかったと思います。

2/2ページ: 自分が入ったからには、そういうイメージを払拭できないかと考えました。


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自分が入ったからには、そういうイメージを払拭できないかと考えました。当時メンズのTシャツは企業コラボやアートもの、一部のキャラクターものが多かったので、当時の日本を代表するスタイリスト10人集めて、その人たちに「これが俺のTシャツだ」という企画でTシャツをデザインしてもらうことにしました。メンズのファッション誌は編集者でもモデルでもなく、スタイリストの人たちが誌面を作っているので、取り上げてもらうならスタイリストをきっかけにしようということが企画の根底にありました。スタイリストの人たちもTシャツをデザインするということで盛り上がってくれるし、それが何万点という規模で売れるということで、モチベーションも高まるだろうと。僕たちとしても、UNIQLOの新しい側面を出せるのではないかと思っていました。一人ずつ会いに行き、こういう思いでやっていきたいのですが、いかがですか?と話をしたら、皆さんからおもしろいと言ってもらえました。スタイリストの人たちもみんなライバル意識があるようで、「あいつには負けたくない」とか、「俺のが一番売れるようにしたい」とか、本当にひとつひとつのデザインにこだわりをもって作っていただけました。結果、本当にかっこいいTシャツができあがってうれしかったですね。

一番最初に『HUGE (ヒュージ) 』で大々的に扱ってもらえるようになりました。UNIQLOがハイエッジなファッション誌『HUGE』に出るなんて、当時はあり得ないことでしたし、スタイリストの人たちもそれまでこういうプロジェクトには参加したことがなかったようで、「なんかユニクロやるじゃん」と評価してもらえました。結果的にこのプロジェクトのTシャツはよく売れて、若い人たちのUNIQLOに対する意識も少なからずそこで変わったのではと思いますね。それからはデザイン以上に企画やコンテンツを考えることに夢中になりました。UNIQLOのブランディングにもつながって、売上にもつながるということで、いろいろと挑戦しましたね。

- 企画モノはすべて担当なさっているのですか?

UTを中心に大半は僕が担当しています。2010年からデジタルマーケティングの方も。「UNIQLOOKS (ユニクルックス) 」が一番最初で、その後はチェックインの企画、「LUCKY LINE (ラッキーライン) 」や「WAKE UP (ウェイクアップ) 」、最近でいうと、Novak Djokovic (ノバク・ジョコビッチ) 選手と立ち上げた「Clothes for Smiles (クローズ・フォー・スマイルズ) 」というCSRのプロジェクトもそうです。

 (第3回/全4回)「UT」、UNDERCOVERとの「UU」プロジェクトほか、話題のデジタルプロジェクトの仕掛人、ユニクロ松沼礼氏インタビュー

松沼礼 (まつぬま れい)
2002年 法政大学 法学部法律学科卒業
2003年 グラフィックを独自に学び、イベントフライヤーデザインなどを手がける
2004年 ユニクロにグラフィックデザイナーとして入社
2007年 UT STORE HARAJUKU.の立ち上げプロジェクトに参画
2007年 ユニクロUTデザインチームリーダー
2008年 ユニクロUT事業チームリーダー
2010年 ユニクロデジタルマーケティングチーム リーダーを兼任
2011年〜 多数のデジタルプロジェクト / UTコンテンツを企画、発表

『UNIQLO』 HP
URL: http://www.uniqlo.com