保険は加入者の人生と家族を守るための「武器」であると同時に、保険会社にとっては「メシの種」である。加入者が損する保険ほど、保険会社にとってはうま味のある商品なのだ。ならば、ビジネスの裏側を知り尽くしたプロたちは、自分と家族のためにどんな保険を選んでいるのか。実は保険にはまったく加入しない保険のプロたちもいる。以下、二人の生保マンのケースを見てみよう。

■国内生保勤務 38歳・妻のみ

「他人には保険を販売して生活している立場ですが、私自身は必要ないので1つも保険には入っていません。

 まずは死亡保障。妻は共働きで働いていて、子供はいません。両親は健在ですが、十分な貯蓄と年金があるようなので生活費などで一切サポートはしていません。つまり、私の稼ぎを頼りにして暮らしている家族がいないので死亡保障の保険に加入する理由がありません。万が一、死んだときの葬式代ぐらいの貯金はあります。

 続いて医療保障。母親ががんを2度も患っているので、気にならないわけではありません。ですが、医療保険やがん保険は、もともと貯蓄で対応できます。生涯で200〜400万円もの保険料を支払う人もいますが、その額を貯蓄しておけばだいたいの病気は、十分に対応可能じゃないでしょうか。

 もし自社の保険に入って給付金申請をすると、同僚に体調が悪いことを伝えることになるので、それも嫌ですから(笑い)。

 もし子供ができて、妻が仕事をやめて、さらにいまの貯蓄が教育費などで消えてしまうようでしたら、そのときになってから保険への加入は考えたいと思います」

■後田亨(保険相談室代表) 53歳・妻のみ

「2006年に結婚した後、『三大疾病終身保険』に加入しました。がん、急性心筋梗塞、脳卒中のいずれかになった場合と死亡時に200万円が支払われる商品でしたが、つい最近の2012年秋に解約したところです。

 加入当時は独立したばかりで貯蓄がまったくなかったため、最低限の死亡保障のために加入しました。喘息のせいで、県民共済などに入れず、消去法で選んだ保険です。

 その後、200万円程度は用意できるようになったので、解約しました。保険は不安に応じて入るものではなく、自己資金が足りない期間に仕方なく入るものだと思います。

 自営業なので一番怖いのは『長生きリスク』で、体は悪くないのに仕事が減る老後が延々と続くこと。なので、いまは『確定拠出年金』での老後資金準備を最優先しています」

※週刊ポスト2013年1月11日号