人気IT系ライター三橋ゆか里氏に聞いた、いま知っておきたいファッション系ウェブサービス・アプリ紹介  後編

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取材・文: 編集部  英語翻訳: シェン・ダイアナ・リリー

「人気IT系ライター三橋ゆか里氏に聞いた、いま知っておきたいファッション系ウェブサービス・アプリ紹介  前編」

いま海外で注目されているファッション系のウェブサービスを知りたければこの人の記事を見ることをオススメする。ニュースサイトや雑誌にひっぱりだこの人気IT系ライター三橋ゆか里氏である。2008年からスタートした自身が運営するブログ『TechDoll(テック・ドール)』では国内外の有益な情報を発信し、多くの読者を抱えている。また2010年にはDavid Fincher (デヴィッド・フィンチャー) 監督の映画『The Social Network (ソーシャル・ネットワーク)』で字幕・吹き替え監修も担当した。そんな彼女に、いまオススメのファッション系ウェブサービス・アプリを紹介してもらった。
*この取材は2012年6月頭に行われたものです

- 最近マイクロファンディングなども盛り上がってきていますが、ファッション系のサービスはどうですか?


LOOKK


ファッション系でもいろいろでてきてますね。 『LOOKK(ルック)』は新しいデザイナーを発掘したり、まだ有名ではないデザイナーを応援するサービス。デザイナーを“フォロー”すると、新作をちょっとだけ安く買えたりします。サイトのデザインも洗練されていて、まさにコンテンポラリーファッションという感じ。デザイナーとファンとの“繋がり”をすごく大切にしているので、デザイナーを“フォロー”すると、その人の最新動向やスタイリングなんかも見れて買うこともできる。


LOOKK

「1HUNDRED Designers」というコンテストを開催していたり。一般ユーザがデザインに投票してデザイナーを絞り、さらにそれをプロのスタイリストが5人に厳選。選ばれたデザイナーは資金を獲得して、そのデザインを商品化できる。


1HUNDRED Designers


2/7ページ:  ファッション系のおすすめキュレーションサービス

 - 「キュレーション」は最近のひとつのキーワードになっていますけど、ファッション系でオススメはありますか?

『Material Wrld(マテリアル・ワールド)』。テイストメイカーに著名人をうまく取り入れています。有名なスタイリストやデザイナーのクローゼットの中にあるアイテムを売ってしまう、ファッション感度の高いオンラインコミュニティ。


Material Wrld



Material Wrld


『ClosetRich(クローゼットリッチ)』も同様で、デザイナーなどのヴィンテージアイテムが買える。売れなかった場合はチャリティーに寄付される仕組みになってるそうです。


ClosetRich


近いものに『HipSwap(ヒップスワップ)』があって、これは一度着てもう着なくなってしまった洋服を交換できるサイトです。


HipSwap


3/7ページ: 流行っている色やスタイルなど最新のトレンドデータを分析している『Editd(エディット)』

キュレーションではないですが、『Editd(エディット)』も面白そう。アパレル業界もデータを大事にしようというコンセプトのもと、流行っている色やスタイルなど最新のトレンドデータを分析して提供しています。ファッションデザイナーが立ち上げたサービスで、データを無視して感覚的に判断することに疑問を持ちサービスを立ち上げたそう。


Editd

4/7ページ: 三橋ゆか里氏が愛用するおすすめファッション系アプリ


Fancy


- スマートフォンアプリはどうでしょう?

スマートフォンは今では誰もが毎日持ち歩くもの。あるかな?と思ったものは大抵アプリとして存在します。ブランドや企業は、いかにスマートフォンにアプリをダウンロードしてもらえるかがひとつのポイントですよね。


Sumally


私のホーム画面にあるアプリでファッション系のものだと、『Fancy(ファンシー)』と『Sumally(サマリー)』があります。『Fancy』はずっと使ってるかな、最近は並んでいる写真(商品)が買えるように進化しました。ファッションスナップのアプリだと、『Style And the City(スタイル・アンド・ザ・シティ)』。見ていて飽きません。


Style And the City


5/7ページ:  その他にも気になるファッション系アプリ

あと『Snapette(スナペティ)』は、お店で気に入ったアイテムを写真に撮って共有するアプリ。最近完全に日本語に対応したばかり。例えば渋谷でアプリを立ち上げると、その近辺にあるファッションアイテムがずらりと出てくるので、この靴可愛いから見に行ってみようといった買い物の仕方ができる。

日本ではお店で写真を撮ること自体がNGな感じですけど、アメリカではそれもプロモーションという考え方でニューヨークを始めとした都市で流行ってます。


Snapette


あと、『IQON(アイコン)』は、好きなアイテムを組み合わせてコーディネートをコラージュできるサービス。最初はPCでしか使えなかったんですが、アプリをリリースしたらコラージュの投稿数が一気に20倍になったそうです。コーディネートの投稿数も月1000件が、アプリリリース後には2週間で1万件に。それだけ、PCに向かうという行為のハードルが高いということなんでしょうね。アプリは常に肌身離さず持っているスマホで使えるので。


IQON


ただダウンロードしてもらうだけじゃなく、いかにホーム画面に置いてもらえるかが鍵です。またiTunes Storeでキーワード検索をしたときにきちんと検索結果にでてくるか、App Store SEOですね。またアイコンでアプリの内容を的確に表すなんてことも大事。

6/7ページ: 「ファッション × IT」の気になるプロモーション事例

- アプリもマネタイズするのにけっこう苦戦している印象がありますが。

結局アプリを有料にするか、広告を入れるかしかないので。広告を入れてしまうとアプリのイメージが下がってしまうリスクがあるので、どのタイミングでどの場所に広告を出すかというコトが大切。『Instagram(インスタグラム)』の美しい写真を共有するという世界観は、広告を入れた途端に崩れてしまう。だから広告を入れることはせず、素晴らしいユーザ体験にフォーカスした結果ユーザが集まり、いまではFacebookに買収されました。

- ITを使ったファッションのプロモーションで最近気になるものはありますか?  オンラインだけで行われるプロモーションにも面白いものはありますが、オンラインとオフラインを組み合わせたものにひかれます。

©TechDoll

ちょっと前の事例だと、『Facebook (フェイスブック) 』のファンページの“Like! (いいね!) ”数を商品のハンガーにリアルタイムで表示するというものがありました。。これまでは「最後の一着です」と店員さんに言われてはじめて人気商品だと知らされていたのが、FacebookのLike数で可視化される。目の前でどんどんLike数が上がっていったら、次着たときはもうないだろうと思って思わず買ってしまいそうですよね。

参考
URL: http://www.techdoll.jp/2012/05/07/spriteshower

“AR (Augmented Reality) ”(拡張現実)を使った事例はたくさんあります。例えば、Xboxの“キネクト”を使うことで、洋服を実際に試着しなくても試着した感じを見ることができるもの。

ファッションブランドのNEWYORKER(ニューヨーカー)は、店頭での接客用にアプリを使っていたり。試着はしたけれどもう買うか決めかねる時ってありますよね。でも、またわざわざ買いに行くのが面倒くさくて結局買わずじまいになるケースが多い気がします。そんなときに、NEWYORKERのアプリで商品のQRコードを読み込んでおくと、後からその商品をオンラインで購入することができるんです。今後、オンラインとオフラインを繋げるアプリはもっと増えていくと思います。


NEWYORKER


アメリカの女性誌『Lucky Magazine(ラッキーマガジン)』も独自のアプリをリリースしています。誌面に掲載されている商品を取り扱う近隣の店舗を、スマートフォンのGPS機能を使って教えてくれる。東京にいるのに、大阪の情報を教えられてもそれには価値がなくて、渋谷にいたら渋谷近辺のお店がわかって当然。


Lucky Magazine


7/7ページ: ファッション系オンラインストアの今後の流れ

- オンラインストアの今後の流れはどうなっていくと思いますか?


NET-A-PORER


私はオンラインストアでしょっちゅう買い物をしちゃいます。もちろん試着してみることはできないので、複数サイトで同じ商品を検索して写真を比較してみたり。その手間が改善されたら嬉しいなと思います。ネットで見た商品と実際に着てみて違ったというリスクはオンラインストアにはどうしてもあるので。この辺は、今後写真だけじゃなくてモデルさんが実際に着ている様子を撮った動画なんかで補われていくと思います。海外のオンラインストア「NET-A-PORER」とか「ASOS」なんかは既にそれを実現してますし。動画は、商品のコンバージョン(購入率)にも大きく影響する要素。


asos


- おすすめスポットを教えてください。

Tableaux Lounge (タブローズ ラウンジ)
住所: 東京都渋谷区猿楽町11-6 サンローゼ代官山 B1F
TEL: 03-5489-2202
URL: http://www.lounge.tableaux.jp 
代官山のタブローズ・ラウンジという生演奏が楽しめるシガーバー。ラジオ文化のアメリカでよく耳にしていたような懐かしい音楽が聞ける場所です。ここではいつもNewyork Mojitoを頼みます。

鎌倉から少しのところにある長谷。鎌倉の大仏でも有名ですが、5月頃行くと紫陽花もキレイ。お友達に教えてもらった御霊神社は人も多くなくておすすめのスポットです。住宅街にこじんまり潜むビストロにはまた行きたい。
URL: http://www.hasenowa.com

神楽坂はたまに行くお散歩コースです。神楽坂を一歩入った路地がなんとも好きで。和かふぇ「笹乃家」でまったり。
URL: http://tabelog.com/tokyo/A1309/A130905/13117845

「人気IT系ライター三橋ゆか里氏に聞いた、いま知っておきたいファッション系ウェブサービス・アプリ紹介  前編」

三橋ゆか里(みつはし・ゆかり)/フリーランスのライター。IT業界でマーケティングやユーザビリティ改善、ウェブ制作のディレクションなどを経て独立。『日経デジタルマーケティング』、『Markezine』、『宣伝会議』、『Startup Dating』、『Tech in Asia』などで執筆。個人ブログ『Techdoll』では、女性向けサービスを含む海外のサービスを紹介。『Hanako』や『Tokyo ViVi』など女性誌のウェブ特集なども執筆。

TechDoll
URL: http://www.techdoll.jp