1年以上前のローン利用者は損している!変動? 固定? どっちがお得? 第3次?借り換え?ブームがやってきた!!

●「フラット35」は2%を割り、10年固定型は1%台前半に

以前は「ローン残高1000万円以上」「金利差1%以上」など、借り換えでメリットを受ける人には条件があった。しかし今は、昨年借りた人がすぐに借り換えても得する場合があるという。そこで今回、住宅ローンの賢い借り換え法を専門家のアドバイスをもとに、探ってみた!

★【講師】ファイナンシャルプランナー金子千春さん

平成6年日本長期信用銀行入行。独立後、自治体やFPセミナーの講師を務める。CFP(日本FP協会認定)。宅地建物取引主任者。共著に『住宅ローンコンサルティングの実務』ほか。

記者 4〜5年前に一度、銀行に住宅ローンの借り換え相談に行ったのですが、あまりメリットが感じられず、手続きも面倒だったのでそのままにしてしまいました。でも今、借り換える人が増えていると聞きますがどうでしょうか?

金子 今、住宅ローンを借り換える絶好のチャンスだといわれている理由は2つあります。ひとつは金利。日本は長らく超低金利と呼ばれてきましたが、今年に入って長期金利が低下し、いわば?超?超低金利状態になっています。

記者 どれくらい下がりました?

金子 例えば、「フラット35」や年固定型の金利に影響する長期金利は、06〜08年はおよそ1%台後半で11年はほぼ1%台前半で推移していました。それが直近では0・7%台に低下。それに連動し住宅ローン金利も下がっています。

記者 4〜5年前とざっくり比べても1%くらい下がってますね。

金子 しかも、最近は金融機関が住宅ローンに注力していて、実際にローンを組む時の優遇金利をさらに下げています。結果「フラット35」の金利は2%を割り、10年固定型では1%台前半という、過去最低水準となっているのです。

記者 変動金利型はどうですか?

金子 変動金利型の基準となる、短期プライムレートには変更がありませんが、やはり金融機関の住宅ローン競争の影響を受けて低下。1%割れの水準も定着しています。

記者 となると、ここ1〜2年でローンを組んで「低金利で借りられてラッキー!」と思っている人でも、もしかすると借り換えたらメリットがありそうですね。

●借り換えにかかる費用が「ゼロ」になる人も

金子 2つめの理由は、借り換えにかかる諸費用が少なくなっていることです。税金関係は変わりませんが、融資事務手数料は安くなりました。3万1500円と定額にする金融機関も増えています。また、融資事務手数料が高い定率タイプでも、そのコストを金利にプラスしたり、借り換え金額に上乗せすることができるようになり、借り換えで持ち出しとなるお金がほとんどなくなっているんです。

記者 借り換えはお金がかかるというのは、古い常識なんですね。

金子 もし、現在のローンの保証料を当初、一括で払っている場合、借り換えると残期間分の保証料が戻ってきます。その時に必要な手数料が金融機関によって異なるので、実際にいくら戻るかはケースバイケースですが、それを諸経費に充てれば、お金をかけず借り換えられる人もいるはずです。

★ローン金利の決まり方と現行水準(目安)

■変動金利型<0.875%〜1.275%>

金融機関が優良企業向けに、期間1年以内の短期間貸し出しをする時に適用する「新短期プライムレート」に連動して決まる。ローンの金利は半年ごとに、返済額は5年ごとに見直されるのが一般的。既存の住宅ローンの約5割を占めている。

■固定金利型(10年固定)<1.10%〜1.60%>

3年、5年、10年など、選択した期間中はその金利で固定され、返済額も一定。固定期間が終了した段階で、変動金利型に移行するか、その時点の金利水準で固定金利型を改めて選ぶ。固定期間は10年が主流で、金利は長期金利がベースとなる。

■フラット35<1.85% 〜2.48%>

住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して販売。返済期間は35年で設定され、返済開始から完済までの金利と返済額は一定。提携する金融機関によって金利や融資事務手数料、保証料などが変わる。金利水準は10年固定同様、長期金利がベース。

★各住宅ローン金利の推移

変動金利の基準金利として最も多く採用されているのが「新短期プライムレート+1%」で、現在は2.475%。2009年1月以降同じだが、適用される変動金利は優遇金利の拡大で低下している。メガバンクの変動金利は2010年4月1.075%、2011年11月に0.875%となった。「フラット35」は長期金利の動向で毎月見直され2012年11月は1.850%とほぼ過去最低。1年前の2.200%から0.350%も下がっている。

●借り入れ後のライフプランを考えてローンタイプを選ぶ

記者 固定、変動、フラット、今、借り換えるなら、どれですか?

金子 どのローンが一番得するのかという質問には、恐らく誰も答えられないでしょう。将来の金利は予想できないからです。今から10年前に借りた人は、金融機関のアナリストや、新聞・雑誌などの記事で「日本はこれからインフレになって、変動金利はかなり上昇する」と、10年固定や全期間固定型を勧められたと思います。

記者 私もそうでした。

金子 しかし10年経って、変動金利型を選択した人が最も得した、という結果になりました。ファイナンシャルプランナーの立場としては「ライフプランに合わせて選ぶ」という選択肢を提案したいですね。例えば、40 代でこれから子供の教育費がかさむ方であれば、毎月の返済額をある程度抑えられて、一定期間金利を固定できる10 年固定型はどうでしょうか。

記者 なるほど。

金子 また、変動金利型は返済の負担は減りますが、「金利上昇が不安」という人もいるはず。そういう方は、借り換えによって毎月の返済に余裕が出た分を貯蓄に回し、繰り上げ返済や別のローンに再び借り換える時の返済金に充てる方法もあります。そうすれば、将来の金利上昇リスクを限定できるはずです。

★融資事務手数料の比較方法

■諸費用の例(借り換え金額3000万円のケース)

融資事務手数料は、現在最も安い定額タイプは3万1500円で、最も高くなる定率タイプは借入額×2・1%という設定。3000万円借り入れる場合、定率タイプは63万円と定額タイプよりも約60万円高くなる。しかし、定率タイプは定額タイプよりも金利が低いケースが多い。「フラット35」では、定率タイプとするかわりに金利を1・850%にする金融機関がある一方、定額で金利を2・100%とするところもある。こうした場合、初期費用が多くかかる分、総支払い額は定率タイプのほうが少なくなるのが一般的だが、途中で別のローンに借り換えたり、繰り上げ返済をすると、保証料と違って手数料は戻ることはないため、必ずしも得するとは限らない。やはりケースバイケースとなる。