日本の株式市場が熱くなってきた。解散・総選挙が決まった2012年11月半ば頃から、1か月ちょっとで日経平均株価は1500円ほど上昇した。この間の上昇率は、約17%。株式相場が上昇トレンドにある時、下がるタイミングを「押し目(おしめ)」と呼ぶが、今回の上昇には、押し目らしい押し目はなく、一気に駆け上がってしまったという印象だ。普段から株式投資をしている人でも、この相場について行けなかった人は少なくないだろう。

 一方、普段はまったく株に興味のない人でも、連日、テレビや新聞、雑誌などで「日本の株が上がっている」と報道されると、なんとなくソワソワとしてくるのではないだろうか。自分の知らないところで、儲けている人が続出しているのではないか、と。だが、いきなり株式投資を始めるのはハードルが高い。そこで今回は、株に興味が出て来たけど、やっぱりリスクは恐い、それでも、株がこれから上がるなら、その恩恵には預かりたい、という人に向けた金融商品を紹介したい。

■おすすめは「インデックスファンド」

 その金融商品とは、投資信託である。オーソドックスな金融商品なので、「な〜んだ」と思う人もいるかもしれないが、一部の投資信託のここ最近の商品性の改善には著しいものがある。投資信託とは、個人投資家が預けたお金をプロの運用者であるファンドマネージャーが、個人に代わって様々な金融商品に投資をするものだ。当然、購入する際には手数料がかかり、運用に関わる費用を個人投資家が負担することになる。

 ここ数年、マネー誌やビジネス誌で、投資信託のそういったコストがかかる部分がやり玉に挙げられ、一般ユーザーに広がらなかったという経緯がある。しかし、前述のように、商品性が改善され、購入時の手数料を無料にしたり、運用コスト(信託報酬という)を引き下げる動きが出ている。特に「インデックスファンド」という、金融市場の様々な指標と連動するように設計された投資信託は、手数料無料の投資信託が多く、信託報酬も格安なものが増えている。

 インデックスファンドの場合、「日経225型」といえば、日経平均株価とほぼ同じ値動きをし、日経平均株価が10%上昇すれば、預けた資金も10%程度上昇する。つまり、日経225型インデックスファンドを買っておけば、平均的な株式の上昇の恩恵に預かれるわけである。こうしたインデックスファンドは、銀行で購入できるものが多い。そして、最近では、メガバンクを中心として、投資信託をネット販売する銀行が増えている。

■ネットで購入すれば1万円からOK

 三菱東京UFJ銀行では、三菱UFJ投信が運用している「eMAXIS」というインデックスファンドのシリーズを取り扱っている。同シリーズの『eMAXIS 日経225インデックス』は、文字通り日経225型インデックスファンドであり、ネットバンキングを利用すれば販売手数料は無料、信託報酬は年間で0.42%(税込み)と、非常に低コストの投資信託になっている。

 みずほ銀行は、DIAMアセットマネジメントが運用する『日経225ノーロードオープン』を取り扱っており、こちらも販売手数料は無料、信託報酬は年間で0.84%(税込み)。

 また、三井住友銀行は、日経225型ではないが、東証株価指数(TOPIX)に連動する『国内株式指数ファンド(TOPIX)』(運用は三井住友アセットマネジメント)が、販売手数料無料で、信託報酬は0.42%(売却時に信託財産留保額が0.16%かかる)だ。

 上記の3商品は、いずれもネット販売専用となっており、購入金額は1万円からで、手軽に買うことができる。投資信託は、証券会社やゆうちょ銀行でも買えるが、なんとなく証券会社に抵抗感がある人や、口座を開設するのが面倒と言う人も多いだろう。銀行が直販する投資信託を買うには、投資信託用の口座を開設する必要はあるが、銀行口座があれば、それほどの手間はかからない。日本株が上がり始めたとはいっても、まだ序の口。今から地道にコツコツと投資信託で運用をしていけば、将来、「あの時、始めておいてよかった」と思うときがやって来るだろう。

(文/松岡賢治)

マネーライター、ファイナンシャルプランナー/シンクタンク、証券会社のリサーチ部門(債券)を経て、96年に独立。最新刊に『人生を楽しむマネー術』(共編著)。