FX(外国為替証拠金取引)ではオーストラリアドルの人気が根強いが、同じ資源国通貨としてカナダドルに注目が集まっているという。酒匂・エフエックス・アドバイザリー代表の酒匂隆雄氏が解説する。

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 FXの取引通貨としてカナダドルに注目している。実は、カナダは利上げをする可能性がある。

 雇用関係や小売売上高など、最近のカナダの経済指標は好調を維持。さらに、輸出先の7割以上を占める米国経済が底堅くなっていることに加え、高止まりする原油価格も支援材料となり、今後のカナダ経済の見通しが明るくなっている。

 実際、カナダの中央銀行であるBOCは、先の10月の金融政策決定会合後の声明文で、政策金利を1.00%の現状維持を決めるとともに、「現行の金融政策を通じた大幅な景気刺激の一部解除が適切になる可能性がある」とし、状況次第では利上げをする用意があることを示した。

 カナダ経済は米国の景気動向および金融政策の影響が大きい。米国の量的緩和政策によって、マネーの一部がカナダの不動産市場に流れ込んでおり、BOCはインフレ警戒感を強めている。もし、利上げが実施されれば、主要先進国の中では最も早い金融引き締めとなることから、カナダドルに対するインパクトは大きなものとなろう。

 一方、カナダドルと同じ資源国通貨である豪ドルについては、軟調な展開になると想定している。カナダとは対照的に、利下げの可能性が出ているからだ。

 豪州の経済は停滞色が鮮明。EU圏の景気後退の影響を受け、豪州の輸出先の約3割を占める中国の経済が振るわないことが足かせとなっている。豪州準備銀行(RBA)は、10月に政策金利を0.25%引き下げて3.25%としたが、打ち止め感は出ていない。

 もともと、豪州の金融当局は、豪ドル高を望んでいないことを折に触れて表明している。現状の豪ドル相場も、実体経済と比べて高いと考えている模様で、さらなる利下げに踏み切れば、豪ドルは一段安となる恐れがある。

※マネーポスト2013年新春号