「アン・ハサウェイが役のために髪を切った」「ヒュー・ジャックマンやアマンダ・セイフライドら歌が上手な俳優たちが次々とキャスティングされている」「『マリリン 7日間の恋』のエディ・レッドメインも抜てきされたらしい」。これらの情報が入ってくるたびに、見たくてたまらなくなった映画「レ・ミゼラブル」。ついに日本での公開を迎えました!



 ヴィクトル・ユゴーが1862年に発表した大河小説『レ・ミゼラブル』は、これまでに何度も映像化されていますが、本作は1985年の初演以来、ロンドンで27年間にわたって上演が続き、今なおロングラン記録を更新し続けているミュージカルの初の映画化作品です。このミュージカルは、日本を含む世界43カ国、21カ国語に翻訳され、6000万人を超える観客を動員しているミュージカルの最高峰。その舞台の興奮と感動を、見事に完全映画化しています。

 1815年、姉の子どものためにパンを盗んだ罪で、19年間服役したジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)。後にマドレーヌと名を変えたバルジャンは、工場経営の事業家として成功し、人徳を認められて市長の地位を手にします。

 そんな中、服役していたバルジャンの監督官だったジャベール(ラッセル・クロウ)が警部になり、バルジャンの前に現れます。ジャベールは、バルジャンとマドレーヌが同一人物ではないかと疑いを抱きます。


 ある晩、バルジャンは、客ともめて警察に突き出されそうになった娼婦ファンテーヌ(アン・ハサウェイ)の窮地を救います。彼女はバルジャンの工場を解雇されたために、娼婦に身を落とした女性でした。胸の病に苦しむファンテーヌには幼い娘コゼットがおり、バルジャンはコゼットを里親の元から連れ戻して、自分が育てるとファンテーヌに約束します。


 1832年、バルジャンの手で大切に育てられたコゼット(アマンダ・セイフライド)は、美しい娘に成長していました。その頃、パリでは自由で平等な社会の実現を求めて、学生たちが運動を行っており、マリウス(エディ・レッドメイン)もその1人でした。マリウスは偶然見かけたコゼットに一目ぼれし、コゼットも彼に引かれますが、革命に向けた戦いが始まり、マリウスは重傷を負ってしまいます。


 コゼットのためにマリウスの命を守ろうと、彼を助け出すバルジャン。コゼットの幸せだけを願って生きてきたバルジャンの人生が、報われる日は来るのでしょうか……。

 ストーリーを知っていたとしても、ラストまで心揺さぶる歌に何度も感動し、涙が止まらなくなる「レ・ミゼラブル」。号泣した私は見終わった後、もう顔がグチャグチャで、誰とも目を合わないようにして帰ったほどです。

 「英国王のスピーチ」でアカデミー賞を受賞したトム・フーパー監督と、「オペラ座の怪人」「キャッツ」「レ・ミゼラブル」をはじめとする数々のブロードウェイ・ミュージカルをプロデュースし、40年以上も英米の演劇界で活躍を続けている現代最高の名プロデューサー、キャメロン・マッキントッシュによる、壮大なスケールで愛と勇気と希望を描いた傑作映画です。

 公開を前に、主要キャストとスタッフが来日し、私は当連載でも何度か紹介してきた、コゼット役のアマンダ・セイフライドにインタビューできることに! とてもキュートで、気取ったところがなく、いい意味で“ハリウッド女優”ぽくないという印象のアマンダに、本作について、そして“愛”についても語ってもらいました。


——アマンダさんの歌声は、高音で透き通るような美しさでした! コゼットを演じるに当たって、どんな点に気をつけましたか?

 「どうもありがとう! 私が舞台で見たコゼットは、どちらかと言うと弱いイメージだったのだけど、本当はそうじゃないと思ったの。コゼットにはもっと、女性が持つ高潔さや強さがあると思う。私はあまり子どもっぽいコゼットを演じたくなくて、それについて監督と話し合ったのよ。彼女は本作の中で希望の光を象徴する存在なので、子どものように保護され過ぎてしまうコゼットではなく、もう少し強い女性のイメージを表したいと考えたわ。彼女の内面の葛藤を表現したつもりよ」

——本作は、従来のミュージカル映画のように事前にレコーディングをして、それに合わせて口パクで演技をするのではなく、実際に現場で歌いながら、生で収録する撮影方法だったと聞きました。その方法で演じてみて、いかがでしたか?

 「自分で歌いながら、その瞬間の本物の感情を表現できるのは、とても解放感があって、自由な気持ちで演じることができたわ。確かに最初のうちは、レコーディングしたものでなく、そのときの自分の声を聞きながら演じると、その声が気になってしまって、演じるのが少し難しかったけれど。あと、長時間ずっと歌っていなくてはならないので、声帯を強く鍛える必要があって、それは大変だったわね」


——生で歌うことで、何か印象的だったエピソードは?

 「イヤホンから流れてくるピアノの音に合わせて歌うという撮影で、コゼットが恋に落ちた心情を歌うシーンでは、ヒューと丸々2日間、小さな部屋で撮影したんだけれど、うっかりイヤホンをつけ忘れたことがあったの。でも忘れたと言ったら怒られると思って、そのまま歌ったら、かなり音が外れちゃって(笑)。デリケートな感情表現をしないといけないシリアスなシーンなのにね。そのときはすごくおかしかったわ。ただでさえ、ヒューは普段からおかしい人なのに、もう笑っちゃって大変だった(笑)」

——コゼットは、バルジャンとマリウスの愛によって、強く美しくなっていきますが、アマンダさんも愛の力で励まされたり、前に進めたりすると思いますか?

 「そうね、愛の存在というものは素晴らしいと思うし、特に無条件の愛は人に強い力やインスピレーションを与えてくれると思うわ。愛されることで、自分の持っている最も良い部分を出せるんじゃないかしら」


——コゼットは、バルジャンとマリウスの愛によって、強く美しくなっていきますが、アマンダさんも愛の力で励まされたり、前に進めたりすると思いますか?

 「そうね、愛の存在というものは素晴らしいと思うし、特に無条件の愛は人に強い力やインスピレーションを与えてくれると思うわ。愛されることで、自分の持っている最も良い部分を出せるんじゃないかしら」

——コゼットとマリウスのような“運命的な愛”を信じますか?

 「そういう愛はあると思うわ。愛は恋人同士だけじゃなく、子どもに対する愛とか、地球に対する愛とか、たくさんの種類があるんじゃないかしら。私が今、一番強く感じている愛? 飼っている犬に対する愛かな(笑)。それがあるから、私は前に進んでいけると思っているくらいよ!とても絆を感じているの。姉妹や友達との間の愛も、やっぱり素晴らしいと思っているわ」

——コゼットを演じてみて、どんな刺激を受けましたか?

 「本作は近年作られた映画の中で、最も素晴らしい作品だと思うわ。その大作に関わることができて、本当に幸せで光栄だと思っているし、とにかく素晴らしい経験だった! 今回、コゼットを演じたことで、どんなキャラクターでも、自分で深く理解して役に挑めば、もっともっとそのキャラクターを面白い役にできることが可能なんだと感じることができた。撮影が終わった今は、素晴らしいと感じていると同時に、終わったことに安心しているわ」

——アマンダさんは、ずっと休むことなく作品に出演している印象がありますが、常にお仕事をしていないといられない方ですか?

 「そうなのよ〜!仕事が大好きなの。実際、ずっと仕事してきたわ。撮影中は、とても満足感を感じるの。でも、『レ・ミゼラブル』が終わった後はやっていないわね。こういう時間もいいかな、と感じているところよ。女優をやっていていいなと思うのは、あちこち旅ができることね(笑)。あと、すごく演技力のある役者と共演するときも、女優としての醍醐味を感じるわ」


——女優のお仕事は体調管理が大変だと思いますが、最近気に入っている健康法は?

 「エクササイズは欠かさないわね。縄跳びをしたり、ウェイトを持ち上げたり、ベイシックな方法が好きよ」

——今回の来日でオフの時間はありますか?

 「この後、2時間くらいあるかしら(笑)。『BEAMS』でショッピングしようと思っているの。次回はもっと日本を楽しみたいわ!」

「『レ・ミゼラブル』来日スペシャルイベント・レポート」


 11月28日、東京国際フォーラム・ホールAにて、キャストのヒュー・ジャックマン、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライド、監督のトム・フーパー、プロデューサーのキャメロン・マッキントッシュを迎えての来日スペシャルイベントが開催されました。

 ショートヘアで黒いドレスに身を包んだアンは、とにかく素敵! 観客からの質問コーナーでは、自らマイクを手渡そうとしたり、監督の「コゼットには世界一美しい映画スターを探したいと思って、(アマンダを示して)ここにいらっしゃいます」というコメントには、「ちょっと待って、何ですって?」と突っ込みを入れ、「もう監督は私にとって知らない人だわ」とすねてみたり、ユーモアにもあふれていました(笑)。


 対照的にアマンダは、ちょっと緊張した様子で、「クールな日本に来られて本当にうれしいです」と興奮気味に語っていて、とってもかわいらしかった!

 ヒューは、「アリガトウ! コンバンハ! 私は日本に来れて本当にうれしいです」と日本語でスラスラと挨拶したり、役が決まったときの喜びの気持ちを「スバラシイ!」とコメントしたり、サービス精神満点!

 イベントの最後には、観客から来日ゲストへのプレゼントとして、映画のメイン曲の1つでもある「民衆の歌」を大合唱。登壇者たちも一緒に歌って、会場が1つになり感動的でした。


 歌のお返しサプライズとして、来日ゲスト5人は客席側の中通路を通り、ファンサービスをしながら退場。特にアンが、すごく時間をかけてファンと触れ合っているのが印象的でした。