(画像:「中二病でも恋がしたい」公式webサイトより)
(C)虎虎/京都アニメーション/中二病でも製作委員会

登場人物
主人公:富樫勇太(とがし ゆうた)
ヒロイン:小鳥遊六花(たかなし りっか)

第12話「天の契約 ( エターナル・エンゲージ )」
学校。六花は、登校していなかった。中二病をやめ、母と墓参りをしてくる、そう言ったきり勇太の前に姿を現していないのだ。学校にも来ていないようだ。

六花と言う存在が、勇太の前から消えてしまった気がした。

「極東魔術昼寝結社の夏」元部室。かつて六花が立ち上げた部で、皆で集まっていた場所だ。そこには、髪の長い金髪の少女がいた。この少女は誰だ。

「嫌ですよ先輩、凸森です、凸森早苗です。」

やさしく微笑みかけてくる少女。一瞬勇太の時はとまった。

確かによく見れば凸森だ。しかし、いつも結んでいた長いツーテールはおろされ、

いつものような中二病の口調ではなくなっていた。

「あれから色々考えたんですよ、小鳥遊先輩の事とか、先輩が言ってた事とか。」

凸森の瞳は、どこか遠くを見つめていた。

六花が勇太達の前から姿を消した最後の日、凸森は勇太の前で、ただ肩を震わせ静かに泣いていた。それは、他の誰でもない、勇太が凸森の幻想を壊し、現実を突きつけたからだ。

「そんな物はない、ただの妄想だ。」

勇太に打ち砕かれ、膝をついて泣く事しかできなかったあの日。それから考えた末に出た結論。それが、今の凸森の姿なのだろう。

・邪王真眼を伝承した者
凸森と、以前部で使っていた魔方陣を眺めていると、部室へ一色が飛び込んできた。

くみん先輩が大変な事になっているのだと。

さっそく勇太達は、くみん先輩の教室へと向かった。

確かに、大変な事になっていた。

くみん先輩の姿がそこにはあった。右目には眼帯、左腕には包帯。そして彼女は勇太に気づき、手をかざした。

「来た、ダークフレイムマスター。」

まさか、くみん先輩からそのような呼び名で呼ばれるとは、勇太は思っていなかった。何故、くみん先輩は六花の真似をしているのか。

「真似ではない、伝承したのだ。邪王真眼から。」

くみん先輩曰く、先日の夜、六花がくみん先輩へ、邪王真眼の全てを託したのだと言う。

邪王真眼は生き続けなければならない、ダークフレイムマスターがいる限り。

しかしこの時、勇太はまだ、くみん先輩の言う「伝承」の意味を十分理解できていなかった。

・邪王真眼伝承者
六花が、勇太のマンションから引っ越したのを聞いたのは、あれから家に戻った時の事。

勇太の妹、樟葉から聞かされたのだ。先ほど引越し業者が来て、六花の家から荷物が全て運びだされた事を。

何故六花は、勇太の前から姿を消したのか。勇太は、自転車にのって六花の実家へと向かった。とても遠い道のりだが、六花が消えるなど、耐えられない。

しばらく自転車で走っていると、勇太の前に一人の少女が立ちふさがった。眼帯を掛けた少女。二代目の邪王真眼、くみん。

とにかく今は忙しい。しかし、くみんにも、勇太へ伝えなければならない事があった。何故六花の邪王真眼を伝承したのか。

・六花が中二病になった理由
伝承は、くみんの口から伝えられた。

2年前の事だ。小鳥遊一家は、悲しみに暮れていた。父が死に、母、そして姉は泣き崩れていた。

実感がわかなかった六花は、ただ呆然としていた。

これから、六花は姉、そして母とともに、祖父達のいる実家の家で過ごす事になるのだ。このマンションも、もうすぐ引き払わなければならない。

それも、仕方がない事だと思っていた。

そんな時、六花の目に一人の少年の姿がうつった。

それは、銃を構えた少年だった。

「何!?そこ!?そこにも居ると言うのか…!?」

それは、かつて”ダークフレイムマスター”を名乗っていた勇太だった。

それから六花は、毎日彼を見ていた。一人で剣をふりまわし、一人で銃を構え、ただ闇に向かって叫び続ける少年を。

六花は思った。あんな風に思えるって素敵だな、と。

自分の気持ちを押し殺してただ言う事を聞くより、よほど素直でかっこいい、と。

そして実家に戻った六花は眼帯をはめ、左手に包帯を巻き、目覚め始めたのだ。邪王真眼に。

2年後、勇太の前に現れた眼帯少女、小鳥遊六花。

それは、かつて中二病だった勇太の姿に憧れた少女の成れの果てだった。そう、勇太が生み出した”中二病”の少女だったのだ。

「じゃあ、何なんだよ、あいつは…あいつの中二病は…」

くみんから全てを聞かされた勇太の胸には、熱いものが滾っていた。大きな後悔と、今行かなければ、という焦燥感。

六花は、中二病に救われた女の子。勇太を見て、勇太の力を真似しようとした女の子。だから六花にとって、勇太でなければ駄目だったのだ。

・クローズアップ
暗い部屋。それは、六花の実家の一室。六花は、枯れた花を眺めていた。

かつて中二病を演じ、忘れようとしていた現実。祖父の元では、”自分”を抑えつけられ、そして一緒にいる母を見ていると、亡くなった父を思い出す。

ここに居る限り、嫌でも現実を思い知らされ、そして逃げる事など出来ないのだ。

再び、自分の気持ちを押し殺して、ただ言う事を聞くだけの自分に戻ってしまった。自分を支えていた”中二病”は、自分へ中二病を教えてくれた勇太が”卒業しろ”との言葉で、奪い去ってしまったのだ。

六花の目から涙があふれた。全ては、終わったのだ。

未明。

六花は泣き崩れていた。しかし、窓に小石のような物がぶつけられた事に気づいた。

窓を見ると、そこには男の姿があった。勇太だ。

何故、ここに勇太がいるのか。彼はいきを切らしながら、言った。

「邪王真眼よ、お前に見せたい物がある。」

勇太は六花の目をまっすぐ見つめ、叫んだ。

「俺と、契約を結べ!」

二階、ベランダごしに語りかける勇太。その姿を六花の祖父が見つけ、叫んだ。そこで何をしている、と。

勇太は、六花に手を差し伸べた。

今、その手をとれば、あの頃の六花に戻れるのか。自分を抑えない、中二病の六花に。しかし、それは姉も祖父も、そして母も望まない。

邪王真眼はくみんへ伝承し、サーヴァントだった凸森も中二病を卒業した。全ては、うまく行っているはずなのだ。それで皆幸せなはずなのだ。しかし…。

六花は、その手を…。

【記事:フェイトちゃん】

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