オープンではない、クローズドSNSが巷ではやっているって本当?




実名公開を前提とする世界的SNS・Facebook、東日本大震災で大活躍した140文字以内でつぶやくTwitterなど、私たちの生活はどんどんインターネットへの露出度を増しています。そんな中、同じインターネットを利用しつつも、あえて会員制(クローズド)にしているSNSが漸増中。会員制SNSの必要性や人気の理由、わざわざSNSを作る意義などを、クローズドSNSを運営している岡田斗司夫さんに取材しました。



■あなたもネット道場の市民になりませんか?



岡田斗司夫さんが運営しているのは、「すべての『理屈っぽい人』のために」と銘打って2011年1月に開設された会員制SNS「クラウドシティ」。ちなみに、大阪芸術大学客員教授も務める社会評論家で、ネット動画視聴者の間では、カリスマ的存在として知られています。



――クラウドシティとは、どのようなSNSなのですか?



岡田さん mixiみたいな『友達をどんどん増やそう!』というSNSではなく、もうちょっと学校というか、道場みたいな側面を強化したSNSです。



――やはり、理屈っぽい人のための学校なのでしょうか?



岡田さん 現在のクラウドシティに入ってくる新市民の大部分が、ニコ生などのコンテンツから『さらに面白い岡田斗司夫情報を』『同じファン同士の交流を』を求める傾向が強くなっています。なので、当初よりは『ファンクラブ的要素』を強めました。



現在のクラウドシティの様子を簡単に紹介すると、市民同士の交流や私の大量のアーカイブが眠る会員制図書館になっています。



■お金を払っている『市民』たちの自治により機能している



――有料とのことですが、クラウドシティの年会費は1万円(税別)。それなのに、会員数は857人(平成24年11月19日現在)もいますよね。



岡田さん 仮に評価されているとしたら、理由は『市民』というネーミング通り、参加者の意識の高さだと思います。現在、クラウドシティの運営は、システム的な部分などを除いて大部分は市民による『自治』に任されています。それが可能になっているのは『参加者の意識の高さ』です。



また、年会費については、相場としては高いと思います。でも、これが『高い』と思う人には入ってほしくないので、ちょうどいいと思っています。



――クラウドシティを作った動機(きっかけ)は何だったのでしょうか?



岡田さん 僕がやっている活動『FREEex(岡田斗司夫の言説をできるだけ広める、が目的)』に必要不可欠だったからです。通信教育や著作や講演では、『教える』ことはできません。個別の人柄を知り、互いとの交流がないと、何かを教わったり分かち合ったりはできないですし。



――なるほど。当初から、教育機関というニュアンスを持ったSNSだったのですね。



岡田さん 今後のクラウドシティは、教育機関という側面をますます強化するつもりです。現在、クラウドシティ内では会員(市民)に向けた講義番組中継を開始しています。



■ネットユーザーには『地元』が必要だと思います



――これからSNSを主催して作ろうと思っている方に何かアドバイスがあったらお願いいたします。



岡田さん とりあえずはじめること。まずは無料で3カ月。しんどかったら、閉鎖してもかまわないので、アレコレ考えずにやっちゃうほうがよいです。大丈夫そうだったら、有料に移行してください。もちろん、最初から『3カ月したら有料にします』というアナウンスは忘れずに(笑)。



――最後に読者へメッセージをお願いいたします。



岡田さん ネットユーザーには『地元』が必要だと思います。つまり、自分がいつも常駐して、なにかしら相談したり、お互いを見知っておく『場』のことです。そうじゃないと、『参加者』じゃなくて『眺めているだけの人』になっちゃいます。別にクラウドシティではなくても構わないので、ぜひ、みなさんも自分の『地元』を見つけるか、作るかしてみてください。



――ありがとうございました。



多くの人に情報を発信したいときにはオープンSNSを活用し、人脈を構築するにはクローズドSNSを利用したり、目的に合わせて使い分けるのがいいかもしれませんね。



取材協力:SNS「クラウドシティ」代表 岡田斗司夫氏

公式サイト 岡田斗司夫なう。 http://blog.freeex.jp/

会員制SNS『クラウドシティ』 http://cloudcity-ex.com/

近著に、『オタクの息子に悩んでいます』(朝日新聞、2012年)、『評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている』(ダイアモンド社、2011年)等がある。



(OFFICE-SANGA 臼村さおり)