「生大根ダイエット」や「ロングブレスダイエット」など、2012年は様々なダイエットブームが巻き起こりました。中でも最もインパクトがあったのは「えのき氷」ではないでしょうか。以前からダイエット食材の定番だったきのこ類をペースト状にし、凍らせて色んな料理に使用するという画期的なアイディアは大変注目を集めました。

 ダイエットだけでなく、秋の味覚としても愛されているきのこ。「きのこ=食材」と思っている人がほとんどですが、実はきのこは野菜ではないことを知っていますか? 実は、きのこは植物でもなく「第三の生物」として菌類に分類されます。きのこは有機物を無機物に分解することから、地球上の物質循環の輪を維持するのに重要な役割を担っているのです。

 ファーブルや「歩く百科事典」と言われた南方熊楠など有名な生物学者もきのこを研究しました。また、学者だけでなく小説家のルイス・キャロルは『不思議の国のアリス』の印象的なシーンできのこを登場させ、俳人の正岡子規はきのこ狩りをテーマにした「菌狩」という短歌を発表しました。

 また、『ピーターラビットのおはなし』で知られる絵本作家のビクトリクス・ポターもきのこに魅了されたひとりです。

 彼女は幼い頃からきのこをはじめする菌類に興味を持ち、研究を進めて31歳の頃に菌糸の発生に関する論文を提出しました。しかし、女性であったためそれを公表することが認められなかったと言われています。これによって彼女は研究への情熱を失い、絵本を描くことに専念することになったそうです。彼女の作品の背景に描かれる植物のディテールの細かさの理由はそこにあったのです。

 これまで数々の学者、表現者が紡いできたきのこへの思いは現代でも受け継がれています。日本を代表する写真評論家の飯沢耕太郎さんは、2007年に世界中のきのこが描かれた切手を集めた『世界キノコ切手』の出版をきっかけに、その後もきのこにまつわる書籍を出版しています。

 その飯沢さんが新たに監修を務めた書籍が『少女系きのこ図鑑』。イラストレータの玉木えみさんが107種類のきのこを少女に擬人化した全く新しい図鑑です。

 そんな二人が「きのこ愛」を語るトークショーが12月27日(木)に東京都下北沢にある本屋B&Bで行われます。この図鑑が生まれたきっかけ、さらには菌類についての勉強を行うまたとない機会です。いつもの「食べ物としてのきのこ」から、新しい一面を覗いてみてはいかがでしょうか。


【関連リンク】
「かわいくて、ためになる!キノコ擬人化少女『少女系きのこ』ができるまで」
http://bookandbeer.com/blog/event/20121227_kinoko/



『少女系きのこ図鑑』
 著者:玉木えみ
 出版社:DU BOOKS
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