12月1日から2014年卒業予定者の就職活動がスタートしました。今年の傾向として、「就職活動に熱心な学生とそうでない学生との二極化」が目立っているようです。就職情報会社「マイナビ」の調査によると、インターンシップに複数回参加した学生と無い学生を比較したところ、合同説明会の参加率に2倍を超える開きがあったといいます。

 1985年生まれの社会学者・古市憲寿さんは、書籍『僕たちの前途』のなかで、働く若者のリアルについて紹介。就活時に参考にすべきポイントについても言及しています。

 せっかく入社した若手社員が一人前になる前に辞めてしまう。「若者の離職」についての話題は、毎年春の風物詩といえます。しかし、優良企業の若者定着率は非常に高いもの。東洋経済新報社刊『就職四季報2013年版』によると、本田技研工業やキャノンやリコーなどは三年目離職率が極めてゼロに近い。その前年には、KDDIや任天堂が同様にゼロ。就活時に人気企業ランキングを参考にする学生は少なくありません。しかし、こういった企業の実態を反映している数字も、就活時に参考にすべきです。

 また、「就職できない大学生」についても触れています。これには、「大学進学者数の増加と、中小企業の不人気に尽きる」と分析。

 日本では1980年代後半以降、大学進学率が急激に増えました。その結果、労働市場が多くの大学生を受け止めきれなくなってきたのです。さらにはインターネット環境が整ったこともあり、ワンクリックで人気企業への応募が可能に。当然ですが、企業や人気企業には、応募が殺到するようになりました。これでは企業側もさばききれません。

 しかし一方で、こういった見方もあります。

 「人材不足で悩んでいる中小企業も多い。従業員規模5000人以上の大企業は有効求人倍率が0.6倍、つまり2人の学生が1つの企業を取り合っている状況だが、中小企業の有効求人倍率は3.27倍。つまり3社が1人の学生を追い求めて競っているのだ。実際は中小企業といっても多種多様だ。吸水性と速乾性に優れた『花ふきん』がヒットしている中川政七商店や、マスキングテープが大ヒットし、製品がニューヨークのおしゃれ雑貨屋でも売られるようになったカモ井加工紙、自社デザインに定評があるプラスチック加工の本多プラスなど、日本にはキラキラした中小企業がたくさんある」

 古市さんは、魅力的な中小企業名を具体的に挙げています。

 「人気ランキングの上位にあるからエントリーする」「聞いたことのない中小企業だからエントリーしない」では、あまりに短絡的なのかもしれません。まだまだ始まったばかりの就職活動ですが、多くの情報に触れ、フレキシブルに行動することが、優良企業就職への近道なのかもしれません。



『僕たちの前途』
 著者:古市 憲寿
 出版社:講談社
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