アレシャンドレ・パトとロビーニョ。あるいはパトのみ。あるいはロビーニョのみ。どの場合であっても、ブラジル人ストライカーがミラネッロを去ることになれば、マッシミリアーノ・アッレグリ監督には新たなFWが必要となる。2人ともいなくなるなら、新たな2選手が必要だ。

アッレグリ監督はペスカーラ戦で勝利を収めた後、ロビーニョが本当に母国へ帰るなら、クラブがすでに代役を見出していると語った。だが、パト退団の可能性も計算する必要がある。2人ともいなくなるなら、起用できるFWはステファン・エル・シャーラウィ、ジャンパオロ・パッツィーニ、ボージャン・クルキッチ、エムバイェ・ニアンの4人。必要とあればMFケヴィン=プリンス・ボアテングを使えるが、今後に向けて少なすぎるだろう。

パトとロビーニョが去るなら、約2500万ユーロ(約28億円)になるだろう。トッププレーヤーを獲得するのに良い資金と言える。パトのフィジカルは別にして、2人を売却すれば、ミランにとっては大きな戦力ダウンにもなるからだ。つまり、同等の選手で補強が必要ということである。

最初に思いつくのが、マンチェスター・シティFWマリオ・バロテッリだ。シルヴィオ・ベルルスコーニ名誉会長は先日、実質的に同選手をマーケットのアジェンダから外した。だが、そのときはパトとロビーニョの同時売却の可能性がなかった。

ただ、スーペルマリオ獲得にはほかの問題もある。3700万ユーロ(約41億円)という移籍金、高額サラリー、そして何よりCLで起用できないということだ。本当にアドリアーノ・ガッリアーニ代表取締役が大きなヒットを狙っているなら、1月ではなく6月のマリオ獲得を考える方が合理的だ。

では、冬のマーケットでは誰を狙うのか? 上海申花FWディディエ・ドログバをめぐってユヴェントスと争う可能性がある。同選手はまだ上海申花と契約中だが、本人はハイレベルな欧州でやり直すつもりだ。ユーヴェは以前からドログバとの合意を期待している。当然、ミランの参入はプランを狂わせるだろう。ユーヴェは莫大な犠牲を払うことはできず、争奪戦で値上げ競争を繰り広げるつもりはない。そのため、割って入るなら、ミランには大きな可能性もあるはずだ。

ミランにとってドログバが良いのは、CLでプレーできること。若手重視の哲学にはあてはまらないが、パトとロビーニョがいなくなるなら、経験ある選手が必要だ。一方、ミランにとって好ましくないのは、契約条件。3月に35歳となるドログバは、2015年までの契約を狙っている。もう一つは、1月19日に開幕するアフリカ・ネーションズカップだ。リーグ戦のとてもデリケートな時期にいなくなるということで、さらにはCL決勝トーナメント1回戦ファーストレグにも影響する。

そのほかの道もすでに探っている。ともに難しい道だ。一つは、ユヴェントスFWファビオ・クアリアレッラ。だが、FWニクラス・ベントナーが負傷したユーヴェは彼を必要としている。もう一人が、パリ・サンジェルマン(PSG)のMFハビエル・パストーレだ。FWではないが、以前からガッリアーニ代表取締役が気に入っている選手である。先日、同代表取締役はPSGにレンタル移籍を申し出たが、断られていた。