ムーミンはもう、子どもたちだけのものじゃない?
(C)Moomin Characters TM

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かつては子ども向けアニメのイメージがあった、ムーミン。でも、最近はアパレルブランドから可愛い服が出ていたり、輸入雑貨店などでオシャレなカトラリーやテーブルウェア、文房具など、様々なグッズを見かけるようになった。

そういえば、ムーミンカフェもできているし、フィンランドの独立記念日でもある12月6日には、二子玉川に日本最初の「MOOMIN SHOP」もオープンしたらしい。

いまなぜ「ムーミン」なの? MOOMIN SHOPを運営する「ベネリック」の担当者に、お店を作ったきっかけを聞いた。
「昨今『ムーミン』は、優れた文学性と芸術性で、北欧文化やデザインを象徴するアイコンとして注目を集めています。ストーリーの奥深さや、原作アートのグラフィカルな魅力から、大人の女性に多く支持されている特異なキャラクターであるように感じております」

アラビア(イッタラ)、エーケルンド、クリッパンをはじめとした北欧の有名ブランドが数多く商品化しているだけでなく、国内でもデザイン性の高い商品が多く登場している「ムーミン」。
そこで、「『ムーミン』という作品なら、商品を沢山集めただけのキャラクターショップとは違った、生活シーンに溶け込んだライフスタイルを提案するショップができる」と考え、国内初の「MOOMIN SHOP」のオープンに至ったのだと言う。

ムーミン人気は、やっぱり北欧ブームの影響なのだろうか。
「確かに、ここ数年、北欧ブームとリンクして、ムーミン商品の取扱店舗が増えているように思います。特にインテリアショップ、アパレルショップのような、通常のキャラクターとは違ったチャンネルで多く見かけるように感じます」

今まではムーミンファンというと、「北欧好き」の人や、ディープなムーミン好きなどで、商品もファンシーなキャラクターグッズが主流だったそうだが、こうした流れが変わったのは2011年の秋頃から。
「NHK BSでの放送や車メーカーさんがCMに使用した事により、ライトユーザーが増えています。『ムーミン』のブランドMOOK本の刊行などにより、『ムーミン』の魅力が再確認され、後押ししているようにも思います」

ムーミングッズの絵柄も、最近では原画のものが増えている。これはなぜなのか。
「国内では当初、TVアニメの影響から『ムーミン=子どものキャラクター』としての認知でしたが、作者であるトーベ・ヤンソンは作家であり、画家でもあります。『ムーミン』の原作の認知が高まるにつれ、原作アートのデザイン性の高さが周知され、大人の女性に支持されているのではないかと思われます」
実際、物語の奥深さと、アートとしての美しさなどが相乗効果となり、最近は20代から40代を中心に、女性ファンが増えているそう。
昔のように「ファンシーキャラクター」ではなく、「デザインブランドの1つ」としてとらえられるようになってきている変化もあるそうだ。

ちなみに、「MOOMIN SHOP」は、「ムーミンなくらし」をテーマに、原画アートを使用したファブリック、テーブルウェア、インテリア雑貨を中心に、生活シーンにあわせた品揃えをしている。

また、フィンランドNo.1コーヒー「ロバーツコーヒー」を使用したコーヒースタンドを併設し、ムーミンキャラクターのシルエットラテなどを提供。ちょっとマニアックな脇役たちの「シルエットラテ」なども楽しめるそう。

ムーミンファンはもちろん、北欧好きも、雑貨好きも、ぜひ一度足を運んでみては?
(田幸和歌子)