[其ノ二 FX プロディーラーの視点!]為替の新トレンドは年末に生まれる!
米国大統領選挙も終わり、為替相場は2013年に向けて新たに動きだした。11〜12月に生まれた新トレンドは一直線で年始まで続く傾向強し。プロが教える傾向と対策とは?


11〜12月の為替のトレンドは年明けまで続くことが多い!

いよいよ2012年も年の瀬が近づいてきました。一般的に年末年始は相場が動かないと思われがちですが、データを見ると実はそうでもないことがわかります。

下の表は、ここ13年間の米ドル/円の11月〜翌1月の為替変動を示したものです。表では、1月初めの為替レートが11〜1月の安値に近いときは緑、高値に近いときはオレンジで表示しています。このデータを見ると、頻度としては1月に安値(円高・米ドル安)水準に近づく年が多いことがわかります。

さらに興味深いのは、11月から12月にかけて生まれたトレンドは翌年の年始まで一直線に続くことが非常に多いという点です。

11月から12月にかけてが円高トレンドのときは1月初めの終値が安値に近く、円安トレンドのときは1月のレートが高値に近いことがかなり鮮明に表れています。

その背景には、海外の金融機関が12月決算であることも影響しているでしょう。プロのディーラーやヘッジファンドにとって11〜12月はこれまでのポジションをいったん整理して、来期に向けた新しいポジションづくりを始める季節となります。だからこそ、年末は為替相場の潮目が変わる重要な?節目〞になっているわけです。



欧州問題は終らない。でも、米国の景気は好転する!?

振り返ると、2012年はプロのディーラーも含めて欧州のソブリン危機に振り回され続けた1年でした。そして、今後もユーロ圏の危機がくすぶり続け、為替相場に影響するのは確実でしょう。

とはいえ、相場は常に確かなことと不確実なことの間を揺れ動くものです。これまで不確かだったものといえば、米国経済の動向です。

ところが、10月以降は住宅関連を中心に予想を上回る経済指標が相次いでいます。

今後、米国の景気回復がより一層鮮明で確かなものになってくると、為替相場のトレンドが米ドル安から米ドル高へ転換する可能性も高まるでしょう。

個人投資家は年末に取引を休みがち。でも、12月はチャンス大!?

このように、新たなトレンドが生まれやすい11〜12月ですが、日本の個人投資家の動きは年末にかけて鈍くなりがちです。

個人の方々は一般的に円売り・米ドル買いで勝負することが多いため、年末は米ドル買いが減って流動性が比較的少なくなります。

そこを狙って、プロが長年の円高トレンドに乗じた円買い・米ドル売りを仕掛けることが、例年、年末年始に円高が進む要因のひとつといえるでしょう。

そうした急速な円高には注意が必要ですが、残り少ない2012年は米国大統領選挙も終わり、米ドル/円など為替相場の風景が大きく変わり始める時期です。

データを見ても2013年に向けて新たなトレンドが生まれる可能性があるので、個人投資家の方々もこれまでのポジションを見つめ直すべきです。

年末年始だから単にトレードを休むのではなく、いったん頭を真っ白な状態にして、新たな潮目に乗るタイミングを虎視眈々と狙うべき時期といえるでしょう。



【今月のカリスマ軍師】
上田眞理人(MARITO UEDA)
FXプライム 専務取締役

東京銀行、モルガン銀行、ドレスナー銀行などで為替ディーラーや外国為替部長を歴任後、現職。



この記事は「WEBネットマネー2013年1月号」に掲載されたものです。