【連載:シネマ守銭奴】『砂漠でサーモン・フィッシング』の見どころ(銭どころ)※イラスト一部掲載

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会社組織で働いている人には身につまされる問題"無茶振り"。上司の保身のためだけに無茶な仕事をふられ「NOとは言わせないよ」と言う状況下で胃を痛めながら業務にあたっているサラリーマン諸子も多い事と思います。


今回取り上げる作品は、ある意味そんな"無茶振り"を題材にした映画なわけですが、その無茶っぷりが度を超してハンパないことになっています。

なにせ「砂漠の国イエメンで鮭釣りが出来るようにしてくれ」という国家事業規模の無茶振りをされるわけです。仮に自分が会社で上司からそんな命令されたら「この上司は気でもふれたのか」と思うにちがいないです。実際この映画の主人公・ジョーンズ博士(ユアン・マクレガー)は、この無謀な依頼に対して最初は「なに寝ぼけた事言ってんだ」と断ります。しかし、知的で美人なビジネスパートナーの熱意や、クライアントであるイエメンの大富豪(室伏広治似)との魚釣りを通じた交流やによって次第に心動かされ、この絵空事のような「鮭プロジェクト」の実現に向けて動き出します。

果たして砂漠で鮭釣り出来るようになるのか、美人のビジネスパートナーとはビジネスを越えた深い仲になれるのか。仕事と恋と魚釣りの魅力を描いた本作の価格はいかに?【銭払いポイント】
・テンポが良く、程々に笑えて程々に感動できる程よい娯楽感!・・・1,000円
・困難なプロジェクトに立ち向かう男の物語。これはユアン・マクレガー版「プロジェクトX」だ!・・・300円
・釣りが取り持つ男の友情。これはユアン・マクレガー版「釣りバカ日誌」だ!・・・・300円
・"ビジネスパートナーが美人(or男前)だと俄然モチベーションが上がるね"という現実が描かれている!・・・200円
・"男前で仕事ができる、そんなユアンに私もなりたい・・・1,000円

【銭返せポイント】
・事業に関わる裏方さん(専門家や、職人、土方のオッサン)たちにも光をあてて欲しかった・・・・−500円
・改めて思い返すと、いろいろ都合良すぎる感・・・−500円

そんなわけで、この映画、1,800円の価値あり!

リアリティを求める人にはやや物足りないかもしれませんが、クリスマスデートの1メニューとして観るぶんには程よいファンタジー加減の娯楽作だと思います。とにかく俺はユアン・マクレガーになりたい!





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「砂漠でサーモン・フィッシング」
ストーリー:イギリスで大ベストセラーとなったポール・トーディの小説「イエメンで鮭釣りを」を映画化したヒューマンドラマ。ジョーンズ博士(ユアン・マクレガー)の もとに、砂漠の国イエメンの大富豪から「砂漠で鮭釣りをしたい」と依頼が舞い込む。これに目を付けた首相が、中東との緊張緩和のため支援を決定、国家プロ ジェクトへと発展していく
監督: ラッセ・ハルストレム
キャスト: ユアン・マクレガー、エミリー・ブラント ほか
上映時間: 108分
2011年/イギリス

12月8日(土)丸の内ピカデリー他全国ロードショー%VIRTUAL-Gallery-173562%
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死後
イラストレーター。1977年生まれ、愛知県出身、東京在住。蟹座。 「死後」という使いづらいペンネーム且つ節操のない画風で、雑誌、書籍、CD、web等、様々な媒体で活動中。
主な仕事・・・NHK「おやすみ日本」眠いい昔話コーナー/CD『ほーひ』mmm/書籍『コケはともだち』藤井久子著/雑誌anan、BRUTUS他  ホームページ