2012年で一番面白かった漫才師を決める大会「THE MANZAI 2012 年間最強漫才師決定トーナメント!栄光の決勝大会」がフジテレビ系で生放送され、お笑いコンビ「ハマカーン」が優勝した。

ネットでは、今回の「ハマカーン」優勝に異議を唱える人は少ない。しかし、優勝者を決める過程で、視聴者が1位に選んだコンビが全て「落選」するといった事態となり、「視聴者に審査させる意味がないのでは?」といった疑問が出ている。

メンバーの神田伸一郎は神田うの実弟

THE MANZAI」は2011年からスタートし、今回が2回目。吉本興業が主催し、元タレントの島田紳助さんが企画し総合司会をする予定だったため、10年に終了したテレビ朝日系の「M-1グランプリ」がフジテレビに移った、と解釈する人が多い。

11年の優勝は1516組から勝ち上がった「パンクブーブー」で、今年は1740組が参加し、「ハマカーン」が頂点に立った。「ハマカーン」は前回の大会では予選を3位で通過し決勝大会に進んだが、一回戦で敗退した。今年は予選を5位で通過した。メンバーの神田伸一郎さん(35)はタレントの神田うのさん(37)の実弟で、優勝が決まると大粒の涙が止まらなかった。

ツッコミ担当の神田さんはボケ担当の浜谷健司さん(35)の大学の先輩で、東京農工大学柔道部で知り合った。神田さんが浜谷さんを誘って00年にコンビを結成し、正統派漫才で勝負し、07年に「お笑いホープ大賞」準優勝、09年に「漫才新人大賞」大賞を受賞した。

神田さんは姉がうのさんだと明かしてこなかったが、07年10月にうのさんが結婚式を挙げたあたりから知られるようになっていった。ちなみにこのコンビ名は浜谷さんと神田さんの苗字を組み合わせたのだそうだ。

そんな「ハマカーン」の実力は折り紙付だったため、今回の優勝に異議を唱える人は少ないが、採点にズレがある、などとネットで指摘されている。それは、視聴者が1位に選んだコンビが決まって「落選」するからだという。

視聴者の評価と審査員の評価に隔たりがあり過ぎる

今回決勝に進んだのは12チームで、A、B、Cの3グループに分け、それぞれグループ優勝者3組がファイナルに進む。採点は審査員9人の票と視聴者の1票の合計10票で、最も多く票を獲得したチームが勝ち進む。

視聴者の票はネットを使った「国民ワラテン」と呼ばれ、ケータイかスマホで誰でも投票できる。その投票が集計され、最も点数の高かったチームに1票が入る。

ところが結果を見てみると、Aグループで視聴者による1票が入ったのは「オジンオズボーン」だったが、審査員との合計は3票。「ハマカーン」の4票に敗れた。Bグループで1票入ったのは「ノンスタイル」で、審査員票が6票入った「千鳥」に敗れた。Cグループは「笑い飯」に1票だったが、審査員全員の9票が「アルコ&ピース」に入った。決勝ファイナルでは「千鳥」に1票で、審査員8人が「ハマカーン」を選び、「ハマカーン」が完全優勝した。

ネットでは、視聴者の評価と審査員の評価に隔たりがあり過ぎて変だし、視聴者と審査員のどちらがより適切な判断が出来るのか、などと議論になっている。

「あの一般視聴者の投票、全く意味ないじゃん」
「何百何千という視聴者の票より、数人の審査員の評価で覆る採点システムってどうなの?」
「視聴者の投票で決めろよ。タレント同士で決めるなら楽屋でやれ」

などといった意見がネットの掲示板やブログに出ている。