低い日本の補聴器所有率。補聴器がうつ病リスク低減や出世に役立つ?

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日本補聴器工業会とテクノエイド協会は、補聴器先進国である欧米諸国の調査「EuroTrak※」等とリンクし、1万5,036人を対象に日本初となる難聴・補聴器に関する大規模アンケート調査「JapanTrak2012」を実施した。

まず、難聴またはおそらく難聴だと思っている人「難聴者率」の割合について調査したところ、日本は10.9%で、ドイツ12.5%、イギリス9.1%、フランス9.4%、アメリカ11.3%と近似していることが分かった。

しかし難聴者の補聴器使用率は日本14.1%に対し、欧米諸国は20%以上と高く、日本は補聴器普及の余地が十分にあることが明らかとなった。

次に、補聴器を所有している有職者に対する質問では、88.0%が「仕事の上で補聴器が役立っている」と回答。

所有していない難聴者と比べ「出世・適切な仕事・高い報酬を得るためにも、補聴器が役立つ」と考えていることが分かった。

うつ病や認知症へのリスク低減についても、補聴器所有と非所有の難聴者の間で明確な差が見られた。

補聴器所有者の補聴器への満足度について聞いた。

日本は36%だったのに対し、ドイツ(80%)、フランス(76%)、イギリス(72%)は2倍以上の満足度が高かった。

欧米諸国では、医療機関と公的資格を持った販売従事者が連携して難聴者に合った補聴器を勧めているが、日本では難聴で耳鼻科医師へ相談する人は40%と少ないという。

また、また補聴器に対する知識が豊富な「認定補聴器技能者」が在籍している販売店が少なく、難聴者が自分に合った補聴器を購入できていないことが、満足度が低い要因だと考えられる。

また、補聴器非所有の難聴者に対し「購入に際して何らかの公的補助を受けられることを知っていますか?」と尋ねたところ、「はい」と答えた人はわずか6.3%だった。

公的補助についての認知不足も、補聴器を使用する上でのひとつの障害になっているようだ。

※「EuroTrak」は、2009年にEHIMA(欧州補聴器工業会)がドイツ・フランス・イギリスの3カ国で初めて実施した、難聴・補聴器に関わる大規模調査。

本文中の各国の数字は、2012年に上記3カ国に加え、スイス・ノルウェー・イタリアを加えた6カ国で実施した「EuroTrak2012」より抜粋したもの