以前、雑誌『新潮45』から、「女になりたい男たち」というテーマで、原稿を依頼されたという著述家・ディレクターの湯山玲子氏。実際にそういった男性が増えているといいます。

 「女になりたい男たち」は、恥も外聞もなく心のままに泣きじゃくる。本音を大切にし、それが許される場所に生きる場を見つけようとしているのです。

 湯山さんが見たところのエポックは、長野オリンピックのジャンプ・原田雅彦選手の大泣き。原田が「船木〜」と次のジャンパーの名前を呼びながら号泣したシーンを覚えている人も多いでしょう。

 「それまで存在した男の涙は恥だというモラルがそのときの感動的な優勝で、『男のワンワン泣きはオーケー』となった。結局、武士道もノブレス・オブリージュもそうなんですが、男の理性って、公に対して自分の感情を抑えるという美徳だったのに、その生き方が全然おいしくないと男たちが思うようになっちゃった。だって、傍らで女たちは本音で楽しく気楽にやってる。いろんなことを諦めれば、楽しくやれるんじゃないかという新天地を、女に見出してるというわけです」(湯山氏)

 上野千鶴子氏と湯山氏が語り合った書籍『快楽上等!』で、持論を展開した湯山氏。上野氏は、「それなら男から降りてよって言いたい」と返したところ、実際に若い世代を中心に、ラクな方が良いとなし崩しに雪解けしている気はしているといいます。また、上の世代でも早々に退職してカレー屋を始めたり、第二の人生を楽しもうとする人が増えてきており、「自分の本来の才能、好きなことをしてカネも付いてくる生き方に本気で価値を見出し始める」、そういった人たちが増えつつあるのです。

 「女になりたい男たち」。あなたは心当たりがありますか?



『快楽上等! 3.11以降を生きる』
 著者:上野 千鶴子,湯山 玲子
 出版社:幻冬舎
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