水漏れが起きた! 「建物が原因のときはどうする?」

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建物は古くなるほど、あちらこちらから不具合が生じます。

なかでも、国土交通省が5年に1度実施する「平成20年度マンション総合調査結果」では、平成19年から平成20年の1年間の「建物の不具合に係るトラブル」の発生状況は、「水漏れ」が22.0%と最も多く、次いで「雨漏り」が14.4%という結果が明らかになりました。

そこで、「快適で安全な一人暮らし」をテーマに活躍する不動産アドバイザーで宅地建物取引主任者である穂積啓子氏に、「建物や設備が原因の水漏れ」に関する事例と対策法をうかがいました。

■家主が修理するが、借り主もすぐに通知する義務がある「突然、天井から水が漏れてきた! すぐに階上の住人に伝えたのですが、『えっ? 今、水は何もつかってなけど……』という返事です。

何が何だか分からないのですが!」先日、管理するマンションの入居者からこのような電話を受けたという穂積さん。

「原因は何だったのでしょうか…水漏れの被害にあった入居者はどうすればいいのでしょうか」穂積さんはこう説明します。

「階上の住人の不注意だと思ったけれど、実はそうではなかったという例はよくあります。

この場合、マンションやアパートなど建物の給排水管の腐食や劣化など、設備そのものに原因があることが多いのです。

水漏れに気付いたときは、何が原因でどう漏れているのかの特定が重要です。

まずは落ち着いて、自分の部屋の被害が大きくならないよう、家財にレジャーシートをかぶせる、バケツで水を受けるなど可能な範囲で水漏れを防いでから、すぐに管理会社や仲介時の業者などに連絡してください」続いて穂積さんは、次のように事例を挙げて原因を説明します。

・ケース1 共用部分の排水管にヒビ「201号室から水漏れの連絡があり、階上の301号室から3階すべての部屋へ出向いて確認したけれど、水が漏れた形跡はなかった……。

専門家を呼んで点検すると、排水管のつなぎ目が劣化して、そこから水が漏れていた」と判明しました。

これは築年数が古い物件では非常に多いケースです。

また、施工後10年以内とまだ新しいマンションでも、地震や大雨などの自然災害や、近隣で地下を掘る工事をしていたなどで何らかの大きな圧力がかかった、もしくはそのマンションの建築時の工事が原因で、排水管に不具合が生じることがあります。

マンションの給排水管は、床下や天井裏など、建物の外からは見えない場所に張り巡らされています。

ですから、水漏れが始まったとしても、なかなか気付かないものです。

ポタポタとどこかから水漏れの音が聞こえ始めると、給排水管など建物の損傷がすでに進んでいると判断します。

・ケース2 老朽化による雨漏り「窓の隙間からポタポタ、雨の日に限って何度も水漏れが起きる……」この場合、建物の防水工事が耐用年数を超え、雨漏りを防げなくなっている可能性があります。

防水工事の耐用年数は一般的に10年から15年と言われています。

年数が経つごとに外壁のひびやタイルのずれ、パッキンの摩耗などによって小さな隙間から水が浸み込んできますが、それが初期症状です。

その後、だんだんと雨漏り、水漏れが目立つようになります。

雨漏りについて穂積さんは、次の説明を加えます。

「特にここ数年は、豪雨による被害が増えています。

換気扇の開口部分、エアコンの配管を屋外へ出す穴からの雨漏りに注意してください。

また、古いマンションで屋上が平面の場合、排水溝にビニールなどのゴミがからまり水流が滞ってプールのようになっていた。

防水が切れている場所から水が流れてひどい水漏れを起こしていた、というケースもあります。

家主は、水漏れがあればすぐに修理回復をさせませよう。