2013年は様子見だが、米国の不動産市場を注視!
世界同時不況でも、東南アジアは有望――。昨今、日本はもとより、世界の富裕層が東南アジアの不動産を物色している。やはり、東南アジア不動産マーケットは狙い目なのか? 海外不動産投資事情に詳しい玉川陽介氏はどのようにみているのかを聞いた。


人気のマレーシア・ジョホールバルへの投資は今からだと危険



中国人富裕層のなかには海外に資産を移す人も多く、その移転資産額は毎年100億元(約1200億円以上)に達するとの報道もあります。そしてその一部が、シンガポールやマレーシアなどの東南アジアに流れているのです。

しかし、中国バブルの崩壊によりその逆流が起きたとき、東南アジアの不動産は下落する危険性があります。仮にそうなれば、日本の個人投資家からの注目度が特に高いマレーシアのジョホールバルの不動産へも飛び火する危険性をはらんでいます。

ジョホールバルではマレーシアの国家プロジェクトとして「イスカンダル計画」という大規模都な都市開発が進行中で、外資を積極的に誘致しています。しかし実際は、マレーシア政府自身の投資と、シンガポール国内が高すぎて住めなくなったシンガポール人がコンドミニアムを買っている状況です。マレーシアの内需だけでは成り立たない規模のハコモノをつくった後、中国バブル崩壊でシンガポールの不動産価格が下がれば、シンガポール人は引き揚げ、誰も使い手がいなくなってしまいます。そうなれば、?第2のドバイ〞になってしまう可能性もあるでしょう。

同じ東南アジアでも、海外投資に頼らずとも、内需の堅調なフィリピンなども、マレーシアとの比較対象としてチェックしてみるといいでしょう。

フィリピンでは、SMグループという日本でいえば三菱のような財閥が、現地人向けに大規模なショッピングモールを数多く展開しており、地に足の着いたビジネスを行なっているように見えます。また、物件価格はマレーシアと同様に手頃でマニラ中心部でも300万円程度からワンルームが売りに出されているのを見ることができます。

新興国投資に興味があれば、マレーシアと比較検討するのもいいでしょう。ただし、ネックは高い税率と賃貸需要が読みにくいこと。

そのため、アジアの不動産は居住権とセットで考える人には悪くない選択肢ですが、純投資先としては、お勧めしにくいのが本音です。私はやはり経済の中心である米国に注目しています。米国は景気底打ち感があり、ニューヨーク、ラスベガス、サンフランシスコの不動産価格の平均は2012年春には底を打ち、上昇に転じ始めています。

不動産市場も法制度が整っており、英語が通じる。自己資金3割でも借り入れで購入できるなど、手がけやすい点も魅力です。もっとも、米国不動産は平均的な日本人が気軽に買える価格ではありません。そこで、「米国REIT」を買うということも一考に値します。



たとえば、ダウ・ジョーンズ米国不動産インデックス・ファンド(IYR)などを通じて、間接的に米国不動産の回復期待に賭けることができます。QE3以降も量的緩和策を継続スタンスのようですので、米国不動産価格の上昇は今後も期待できるでしょう。ちなみに、IYRは日本からでもSBI証券や楽天証券などで購入できます。

とはいえ、欧州の先行きも不透明ですから、米国不動産への投資は、ポートフォリオの一部にとどめるのが妥当でしょう。2013年の基本線は「ハイイールド債を中心としたフィックストインカム」を中心に考え、米国優先出資証券の詰め合わせである「PFF(iシェアーズ米国優先株インデックス)」などは、引き続き保有します。優先出資証券は、通常の社債よりも利回りもリスクの高