――麻生さんから見た、アキとハツキとヤグという家族の形についての印象と、ご自身に置き換えて、自分はどんな家族を築きたいと感じますか?

麻生:ヤグとハッちゃんは、血は繋がってないけど一緒にいる時間が長い分、似てくるだろうし、血の繋がり以上にすごく家族らしい家族だなと、私には映っていて。アキは、クールでカッコイイお母さんを目指して演じたんですけど、すごく愛情深い人だし、ヤグとハツキのことも大好きだと思うんですよ。家族の在り方として、「面白ければいいじゃん!」みたいな所とか、ロックで色々な物事を判断する所とかは、私にはなかなか出来ないけど、そういう風に考えて生きていきたい所もあるから、アキの生き方は結構、憧れの生き方なんですよ。ハッちゃんとの関係性も羨ましいし、私はまだ子供が生まれたばかりなので、どうやって育っていくか分からないですけど、こういう風になったらいいなと。

――姉妹みたいな?

麻生:でも私、親は親、子は子だと思うんですよね。このお話の中でも私にはそう見えるんですけど、あまり友達みたいな親子には全然憧れなくて。だけど対等、というのが理想なので。まぁ、どうなるかは分からないんですけどね。ものすごい不良になるかもしれないし(笑)。私の育て方次第で、どうにかなっちゃうかもしれないから怖いですけど。

 

――アキとヤグは籍を入れずに暮らし始めますが、麻生さんご自身が結婚相手に求める条件や、男性の魅力に感じる所は?

麻生:一番大事だと思っているのは会話が続くこと。要は、楽しく笑えるかどうかがまず第一にあって、それからちゃんと働いてくれるか。ヤグはもう駄目ですけど(笑)。やりたいことに向かって頑張ってるなら一時的に働けなくても、全然良いです。あと、優しいかどうか。人を思いやれるかどうか、とかですね。細かく言えば色々と、いっぱいあります(笑)。

――娘のハツキ役を演じた、三吉彩花さんの印象は如何でしたか?

麻生:三吉さんは、すごく良い子なんですよ。ものすごく家族と仲が良いんです。彼女の言葉だと、まるで友達のような関係という感じだった気がするんだけど、お母さんがすごく若くて。二人で撮ったプリクラとか、友達にしか見えないような。お母さんに、何でも話すそうですよ。

――ハツキの役柄ではすごくしっかり者ですけど、子供らしい一面も。

麻生:しっかりしてますけど、時々、子供らしい部分が見えて、そこが好き。この年代ならではの感じがして、そのバランスが可愛いですよね。

――とても16歳には見えない大人らしさもありますよね。

麻生:見えないですよね。私より背が高いし(笑)、顔も大人っぽいから、子供には見えないんですけど、話していくと時々子供らしい所が出てくるから、安心します。

――4年ほど前に、麻生さんが「コドモのコドモ」という作品に出演された時、理想の母親像について質問したら、麻生さんのお母様が明るくて、よく自作の歌を歌うと話されてましたよね。

麻生:はい、すごい話を引っ張ってきますね(笑)。

――その後、ご自身も母親の立場になられて、理想の母親像は変わりましたか?

麻生:今もう自分の母親そっくりになってます。同じような歌を歌うし、うちの母親は替え歌がすごいんですよ。替え歌というか、作詞作曲ですかね。私は子供の頃からそれをずっと聞かされて育ってきて今、子供に全く同じ歌を歌ってますね(笑)。

 クライマックスとなるライブシーンで、SNAIL RAMPの竹村哲(Ba)とSHAKALABBITSのMAH(Dr)に支えられた大泉が歌う「羽根ならあると彼女は泣いた」は必聴。劇中でアキの言い放つ「いい高校行って、いい大学入って、そういうのはさ、つまらん!」という台詞など、ロックか否かで物事を語る彼女の姿に、既成概念や常識だけでは決して計ることのできない人生の価値を見出してもらいたい。

映画『グッモーエビアン』オフィシャルサイト