FRBの量的緩和の強化について

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FRB(米連邦準備制度理事会)は、保有する短期債を売却する一方で、同額の長期債を買い入れるプログラム、「ツイスト・オペ」が終わる12月末以降、長期国債を毎月450億米ドル買い入れることをFOMC(連邦公開市場委員会)で決めたと12月12日に発表しました。

また、失業率が6.5%を上回る水準にとどまるとともに、向こう1〜2年のインフレ見通しが2.5%を上回らず、長期のインフレ見通しも十分に抑制されている限り、事実上のゼロ金利政策を継続する方針を示しました。

12日の米株式相場は、FOMCの結果発表後に一時、値上がりする場面もありましたが、「財政の崖」を巡る協議に進展がなかったことや、利益確定売りなどにより、前日比ほぼ横ばいで引けました。

また、為替市場では、投資家のリスク回避姿勢が和らぐとの見方などから、低金利の円が対米ドルで下落したほか、ユーロが対米ドルおよび対円で上昇しました。

(※上記グラフ、データは過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

)「ツイスト・オペ」は、FRBの保有資産規模に影響を及ぼすものではありませんでしたが、今回のFOMCでの決定により、同オペ終了後、短期債の売却が止まる一方で、長期債の買い入れが続くため、FRBの保有資産が拡大することになります。

なお、FRBは9月以降、MBS(住宅ローン担保証券)を毎月400億米ドル買い入れる、量的緩和の第3弾(QE3)を導入しており、これをあわせると、来年からのFRBの資産買入規模は毎月850億米ドルに拡大することになります。

FRBが、「ツイスト・オペ」の終了後も長期債の買入れを続けるとの見方は、事前に優勢となっていました。

一方、事実上のゼロ金利の変更基準として、従来の「時間軸」に代えて、失業率の水準が今回持ち出されたことは、タイミング的にやや驚きだったとみられます。

ただし、現状では、失業率の改善という観点からも、ゼロ金利の解除は2015年以降とみられることから、「少なくとも2015年半ば」との従来の時間軸と比べて、実質的に大きな変化はないと考えられます。

今回、FRBは積極的な緩和姿勢を引き続き示しましたが、弊社では、「財政の崖」問題に対して適切な対応がとられ、米国経済が大きな減速を回避すると見込んでいることから、2013年上半期に追加的な緩和措置を採る事態には至らないと考えています。

(※上記グラフ、データは過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

)(2012年12月13日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、国内外での大きなイベント発生時の臨時レポート「フォローアップ・メモ」からの転載です。

→「フォローアップ・メモ」