コラージュを駆使した作風で消費社会と人との関係を表現し続けるアーティスト、エリザベス・プライスが英国ターナー賞(50歳以下のイギリス人・もしくはイギリス在住のアーティストに対して毎年贈られる賞)を受賞したことが明らかになった。



80年代のインディーポップバンド、Talulah Goshを組んでいたことで知られるミュージシャン、プライスの手がけた映像作品が、他の3人の候補者を抑えて賞金2万5,000ポンド(約330万円)を獲得した。審査員から「魅惑的で見ているものを惹きつける作品だ」と評価されている今回の作品は、映像と文章、音楽が組み合わさったもので、火事に見舞われたデパートを映したニュース映像に教会、そして女性コーラスの映像が組み合わさった作品「The Woolworths Choir of 1979」や、高級車を大量に積んだまま2002年に沈んだ貨物船にヒントを得た「West Hinder」などが受賞の対象となった。

プライスは受賞について、「公的助成金なしにはこの受賞は有り得なかったでしょう」と感謝の意を述べ、「受賞で認知度を高めることができました。賞金は作品制作の助けになります」とコメントを発表した。

19世紀イギリスのロマン主義の画家J.M.W.ターナーの名にちなんだこの賞は、イギリスの現代美術において重要な賞のひとつ。受賞の様子はメディアで放送され、有名人が多数出席するため、注目度も高い。過去の受賞者にはヴォルフガング・ティルマンス(写真) グレイソン・ペリー(花瓶)、クリス・オフィリ(絵画)、ダミアン·ハースト(立体・ホルマリン漬けの死んだ動物の作品が有名)など、現在も第一線で活躍している人気アーティストが名を連ねる。

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