日経平均株価が回復基調とはいえ、長い目で見れば依然、日本株が低迷していることに変わりはない。ただ、「それだけに有利な株主優待が出てきている」というのは、グローバルリンクアドバイザーズ代表取締役・戸松信博氏だ。

 なかには株価に対する利回りが24%を上回るものもあり、食事券や買い物券、金券などネットオークションを活用して現金化可能な株主優待もゴロゴロしている。戸松氏が賢い株主優待投資術と注目の優待銘柄を指南する。

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 2012年も終わりが近づき、年明け以降、配当や株主優待が確定する時期も近づいてきます。そこで2013年3月までに配当が確定する銘柄のなかから、「配当+株主優待(ネットオークションで売却した際に得られる予想金額)」を実質的な利回りと考え、「これは!」と思える銘柄をあくまで主観的な評価でピックアップしてみました。

●ビックカメラ(東証1部・3048)
……予想配当+予想優待売却利回り:9.8%

 ご存じ、家電量販店業界2位のビックカメラは、1株から購入でき、株価は4万1000円(12月7日終値。以下同)。これに対し、予想配当1000円に加え、1000円分の買い物優待券が年2回(2月・8月)で計3枚もらえます。

 この優待券はオークションでも売却可能ですが、取扱商品も多いので、そのまま利用したと計算しても、株価に対する実質利回りは9.8%となります。ちなみに、同社の株主優待は1年、2年と長期で保有していった場合、追加で優待券がもらえますので、さらに利回りが向上することが期待できます。

●ベクター(ジャスダック・2656)
……予想配当+予想優待売却利回り:24.1%

 ソフトバンクグループで、パソコン用オンラインゲームのポータルサイト「GAMESPACE24」などを運営し、ソフトのダウンロード販売最大手となっています。同社の場合、配当はありませんが、100株以上で同社のオンラインゲーム利用チケットが1万円分もらえます。

 ゲームをしないという方でも、これをネットオークションで売却すると、だいたい7500円前後で売却できるようです。株価は311円で100株購入したとすると、利回りは実に24.1%に上る計算です。

 注意点としては、同社の業績がサーバーへの不正アクセスやカード不正の影響もあり、やや縮小傾向であること。2012年3月期の最終赤字に続き、2013年3月期も厳しそうです。ただ、一連の問題を乗り切れれば黒字転換できる可能性は十分あります。また、ソフトバンク傘下ということもあり、将来的には何らかの支援策が期待できるかもしれません。

 その他、株主優待といえば、デパートのお買い物優待券や航空券、金券などがありますが、必ず使うという意味では食事券に注目でしょう。たとえ買い物や旅行をしなくても、食事は必ずするわけですから、生活費を節約するためにも使わない手はないと思います。

 たとえば「甘太郎」や「北海道」といった居酒屋チェーンを展開するコロワイド(東証1部・7616)は、株価716円に対し、予想配当が1株当たり5円、500株以上で1万円の優待食事ポイントが年4回も付与するという太っ腹で、この優待食事ポイントを額面通りで評価(利用)した場合、利回りは11.9%にもなります。

 あるいは、山口県を本拠地に「おむらいす亭」などを全国展開する外食チェーンのジー・ネットワークス(東証2部・7474)も利回りが11.6%など、外食関連には魅力的な株主優待銘柄が少なくありません。

 もちろん外食チェーンの場合は、自宅や会社の近くなどに店舗があるかどうかも大きなポイントとなるため、自分の生活圏に近いところを選ぶ必要もあります。株主優待をうまく使いこなすことができれば、食費を限りなくゼロに近づけることも決して不可能ではないかもしれません。株を保有して賢く節約というのも新たなライフスタイルではないでしょうか。