自民党も日本維新の会も「トンデモ化」の予感!?

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自民党と公明党の連立は、1999年10月に始まった。同年から2009年9月まで、両党による連立政権が続く。その後、民主党が政権を握り、両党は下野した。野党になってからも両党の提携は続き、来週に控えた総選挙でも一丸となって選挙戦を闘うような構えを見せている。




しかし、安倍晋三氏が自民党の総裁になってから、公明党との政策が乖離し始め、いまや対立していると言ってもいいような状態なのである。とりわけ、憲法に関する方針でその対立が広がっている。




2012年12月8日付の毎日新聞によれば、「憲法改正に賛成と答えた自民候補は98%に上り」、「9条改正に賛成と答えた自民候補は90%に達し」、「集団的自衛権の行使を禁じた憲法解釈について『見直すべき』は92%に上」っている。




さらに、核武装については「『将来にわたった検討すべきではない』が56%」だが、「国際情勢によっては検討すべきだ」は32%、「検討を始めるべきだ」は6%と、核武装に前向きな議員の数が38%に上る。




一方の公明党は、憲法改正について「環境権などを追加する『加憲』」を主軸とする「改憲」には87%の候補が賛成しているが、9条の改正に賛成しているのは4%のみ。集団的自衛権の行使を禁じた憲法解釈を「見直すべき」と答えた候補は、11%しかいない。




「改憲」で最も重要な論点となるのは、9条の改正と集団的自衛権の行使を禁じたままでよいのかどうかという点であろう。だが、この点に関する両党の政策は、正反対と言ってもいいほど決定的に異なっている。




右寄りの極端な議論を提起してポピュリズムを煽る自民党。それに対して、長年連れ添ってきた相方としての義理を、「加憲」などというあいまいな言葉を使った上で果たそうとする公明党。自らの政策を誤魔化してまで、自民党の改憲に寄り添う。そんなことをして、公明党にどんなメリットがあるのだろうか。




ちなみに筆者は、右傾化する自民党にも、宗教の力を政治に持ち込む公明党にも、投票するつもりはない。同じ記事が、日本維新の会の候補のうち「核武装に前向きな回答をした人は計77%だった」と報じている。核の「平和利用」神話が崩壊した中で、どう考えてもいまさら核武装はないと思うのだが。




自民党も日本維新の会も、確実に「トンデモ化」しているような気がするのは、筆者だけであろうか。




(谷川 茂)