日中問題などでは経済から政治的要素を取り除くことが重要
政治も経済も非常に読みづらい年。世界が抱える問題は、ばらまかれた大量の紙幣がもたらすインフレによる合法的な借金棒引きでしか解決はなされないのではないかと思うが…。


2013年の経済の展望について率直に申し上げれば、「今年の問題を引きずりながら、その問題の解決の糸口を模索していく年」としか言いようがありません。

日本の経済実態として言えるのは、経済浮揚のためのさまざまな手を講じてきた結果が莫大な国債増発につながり、金融政策においては長期にわたるゼロ金利と幾多の量的緩和を実施してきましたが、今なおデフレから脱却できていないということです。さらには、私が時期尚早と主張し続けてきた消費税増税の決定に日中関係の悪化も加わり、景気減速が明らかになってきています。

日本のみならず、欧州、中国、米国も大変きびしい経済状況にある中で、これから後、いったいどの国がいかにして経済回復を成し遂げ、世界経済の牽引役となっていくのかという問題に対し、今のところ答えは何ら見えてこないという状況にあります。

欧州については、ユーロという枠組みが抱える根本的矛盾を露呈する形で、いまだに脱しえない危機的状況に陥っています。つまるところ、この問題は「ユーロというコンセプトを続けていくのか否か」という二者択一しかないわけで、今後も続けていくのなら、財政の一体化に踏み切るといった根本的解決策を目指していかねばなりません。中途半端な施策で一時しのぎを繰り返すのでは、もはや何も解決しないと認識すべきではないかと思います。

次に中国です。過去10年間で年平均10.7%の成長率を遂げ、リーマン・ショック後も高成長を維持してきた中国が再び世界経済を牽引していくであろうと言う人ももちろんいますが、さすがの中国も欧米経済の低迷の中で景気減速が起こり、さらに日本との間で生じた領土問題の影響が長期化すると見られる中、そうした期待を寄せるのは少し難しいのではないかと考えています。

そして言うまでもなく、世界的に経済情勢が悪化してくる中で13年の米国経済についても厳しくなるとは思いますが、あの08年9月のリーマン・ショック以後、世界中が紙幣を刷りまくり大量にばら撒いており、その結果として、恐らくこの2、3年のうちにほぼ間違いなく世界的なインフレ状況をつくり出していくと思われます。

仮にハイパーインフレが現実のものとなれば、ある意味での合法的な借金の棒引きが起こり、さまざまな矛盾が結局は解消されていくことになるでしょう。いま世界が抱えた問題というのは、結局そうしたことによってしか解決がなされないと私は思います。

領土問題の当事者国での新リーダー誕生はひとまず解決のチャンス

世界の政治日程においては2012年から2013年に入って行く中で、日本の領土問題の当事国である日、中、韓3カ国で指導者の交代が起こるわけですが、新たな指導者の下で各国がいかなる施策を打ち出すか、私は大変な関心を持って見ています。
 
13年というのは、政治の要素が経済に与える影響がポジティブであれネガティブであれ非常に大きな年になるという印象を持っており、13
年の経済に明るい兆しが出てくるか否かは、政治がいかなる展開を見せるかがキーファクターになると考えています。

日本の政治の現況を見ますと、09年夏にある意味期待をかけて投票した多くの人が、今日まで期待を裏切られ続けた民主党政権に大いに幻滅していると思われ、?近いうち〞に実施されるはずの解散・総選挙において、おそらく民主党は大敗を喫することになるでしょう。

とはいえ自民党は、与党としてのみならず野党としてもやはりダメだったという烙印を押されたような状況ですから、単独で政権与党に返り咲くのは不可能でしょう。