[其ノ一]株の攻守がわかるベータ値は検索の調味料
下落相場では負けない株、上昇相場では大きく勝てる株に投資すべき。相場に応じた銘柄選別の切り札とは?

「ベータ値0.5以下」の検索条件で有望な "守りの株" を発掘!

ネット証券のスクリーニング機能を使えば、会社の基本情報やテクニカル指標など、さまざまな角度で自由に銘柄検索できる時代になりました。

ふるいにかけるうえで、基本として入れておきたいのはPER(株価収益率)とPBR。今のように相場の低迷が続いている状況では、PER15倍以下、PBR1.0倍以下という超割安な設定でも引っかかってくる銘柄がたくさんあります。PERやPBRだけでは買えない相場ですが、ここに配当利回りなどを加味して下げすぎの有望株を探すのが有効な戦略です。

さらに今回、銘柄検索の調味料としてお勧めしたいのが「ベータ値」と呼ばれる指標です。松井証券が提供しているQUICK情報の銘柄スクリーニングでは「対日経平均ベータ値(180日)」という項目になります。これは過去180日間の日経平均株価と個別銘柄の株価の感応度合いを示したもの。日経平均が1動いたときにその銘柄も同じ方向に1動いたらベータ値は「+1」になります。

景気動向に敏感な株ほどベータ値が+1.4以上になるなど、日経平均……つまり全体相場に比べて値動きが激しくなりがち。反対に、食品や薬品、J-REIT(不動産投資信託)などディフェンシブ株といわれる銘柄は+0.5より低くなる傾向にあります。

現在のように景気の先行きに不透明感が強い時期は、資産を大きく増やすことより、ベータ値の低い銘柄に投資して資産防衛を目指すべき。下落相場では投資信託や年金といった機関投資家の資金も、こうしたディフンシブ銘柄にシフトしていくので、少しずつではあっても着実な値上がり益や年3%超の配当利回りを狙うことができます。

そして、「景気が底打ちして相場が好転してきたな」と思ったら、すかさずベータ値+1.4以上の値動きのいい銘柄に乗り換えてしまいましょう。具体的には日経平均構成銘柄のハイテク株などが、そういった荒い値引きの代表ですが、スクリーニングでもうまく探せるはずです。

「守りか攻めか」、相場状況に最適な銘柄を選ぶ "隠し味" として、ベータ値はとても重宝する指標なのです。

【マネー誌初登場】窪田朋一郎(TOMOICHIRO KUBOTA)
松井証券 マーケットアナリスト

2001年、松井証券入社。マーケティング部を経て現職。ネット証券草創期から株式中心に相場ウオッチを続けている。実家は千葉県野田の造り酒屋。


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この記事は「WEBネットマネー2012年1月号」に掲載されたものです。