SCANDALコピーバンドコンテストの決勝に残った11組の中高生バンドたち
12月9日(日)、東京渋谷にあるライブハウス「SHIBUYA-AX」にて、ガールズバンド「SCANDAL」のコピーバンド/ヴォーカリストコンテストの決勝戦が行われた。このコンテストはガールズヴォーカルバンド発掘を目的とし3年前に発足。中高生限定でありながらも回を重ねるごとに応募総数は増え続け、3回目を迎えた今回は何と510組がエントリー。この日はその中から、厳正なる書類審査とライブ審査を勝ち上がった11組が顔を揃えた。

SCANDALコピーバンドコンテストに特別審査員として登場したメンバーたち
SCANDALコピーバンドコンテストに特別審査員として登場したメンバーたち

会場には特別審査員として「SCANDAL」4人も登場。楽曲をコピーされることについて聞かれると「自分たちが普段ライブでやっているのとは全く違う曲のアプローチがあったり、ステージパフォーマンスもそれぞれの特徴があるので、いつも楽しく観ています」とヴォーカルのHARUNA。審査員席に座ると、暖かくも真剣な眼差して、自分たちに続くかもしれない次世代ガールズたちの演奏を見守っていた。

ヴォーカル部門選出のKAHORI


SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「KAHORI」
SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「KAHORI」

トップバッターはヴォーカル部門選出のKAHORI、東京都出身の中学一年生だ。小学校2年生の時にギターを始めたという彼女は、6曲をメドレーで披露。バックにお父さんとパソコンで作ったというオケを流しながら弾き語った。演奏後、ステージに立った感想を聞かれると「緊張しました。でも、楽しくできたので良かったです」とニッコリ。CMでしか流れていない新曲を耳コピーして演奏したエピソードを話すと、会場から感嘆の声が上がった。

ヴォーカル部門選出の華帆


SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「華帆」
SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「華帆」

エントリーナンバー2番はヴォーカル部門選出の華帆、奈良在住の高校1年生だ。三年連続でエントリーしたという彼女は、正に三度目の正直でファイナルに進出。アコースティックギター1本で「SCANDAL BABY」を弾き語った。演奏後、念願のステージに立った感想を聞かれると「この広い舞台で歌うことができて凄く嬉しいです」と話し、バンドアレンジの曲をあえてギター1本で弾いたことに関しては「アコギ1本で演奏した方が歌詞が伝わりやすくなると思いました」と答えていた。

バンド部門選出の「Chee bur」


SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「Chee bur」
SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「Chee bur」

エントリーナンバー3番はバンド部門選出の「Chee bur」、福岡県在住の中学1年生だ。「SCANDAL」と同じ編成の4人組の彼女たちが演奏した曲は「瞬間センチメンタル」。ギター担当の娘は金髪のウィッグをかぶり、本家MAMIになりきっていた。演奏後、MCが平均年齢が12.5歳のバンドであることを紹介すると客席から驚きの声が。「バンド活動以外に部活もやっているので、練習時間が取れないのが悩みです」と、いかにも中学生らしいエピソードを話していた。

バンド部門選出の「SASAMI STREET」


SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「SASAMI STREET」
SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「SASAMI STREET」

エントリーナンバー4番はバンド部門選出の「SASAMI STREET」、山形県在住の高校3年生だ。演奏した曲は「SCANDALのテーマ」と、「少女S」。演奏するにあたって研究したことを聞かれると「SCANDALのライブを観に行きました。自分たちが初めて観たのは昨年の新潟公演だったんですが、会場に着く前のタクシーの中でもう泣いちゃってて…。それで本番が始まったら大号泣って感じでした」と、「SCANDAL」に対する熱い思いを語っていた。

バンド部門選出の「Lechery」


SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「Lechery」
SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「Lechery」

エントリーナンバー5番はバンド部門選出の「Lechery」、岩手県在住の高校3年生だ。演奏曲は「アナタガマワル」。シングル曲では無く、アルバム曲でエントリーした理由について聞かれると「純粋に楽しい曲だなと思って選びました」と答えた。衣装は手作り。「SCANDALさんの『SCANDAL SHOW』のジャケットが魅力的だったので真似しました」と作ったメンバーが話すと、他のメンバーが本家TOMOMIのポージングを披露。会場の笑いを誘っていた。

バンド部門選出の「CHERISH」


SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「CHERISH」
SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「CHERISH」

エントリーナンバー6番はバンド部門選出の「CHERISH」。東京都在住の高校2年生だ。「SCANDAL」のデビュー曲で、ライブの定番曲でもある「DOLL」を選曲した彼女たちは、歌い出しの冒頭、いつもライブでベースのTOMOMIが観客に行っているタオル回しのレクチャーまでもコピー。サビでは本家同様、タオル回しでステージを盛り上げた。期末テストの途中に参戦したという彼女たちは「ギター弾きながら勉強していました」と話していた。

バンド部門選出の「MY PACE」


SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「MY PACE」
SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「MY PACE」

エントリーナンバー7番はバンド部門選出の「MY PACE」。2年連続エントリーでファイナル進出を果たした5人組だ。演奏した曲は「SCANDAL BABY」。トリプルギターという変則的な構成で挑んだ。演奏後、ステージに立つにあたって一番気をつけたことを聞かれたドラムの娘は「自分に酔うことです」とキッパリ。「今日も酔えました」と満足げな表情を浮かべた。学園祭でも演奏したという彼女たち。
「みんな盛り上がってくれました」と話していた。

バンド部門選出の「たんこぶちん」


SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「たんこぶちん」
SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「たんこぶちん」

エントリーナンバー8番はバンド部門選出の「たんこぶちん」佐賀県在住の高校2年生だ。昨年行われた第2回大会でもファイナルに出場した5人組。難易度の高い「BEAUTeen!!」を演奏した。2度目のファイナルでも「ぜんぜん余裕なかったです」と話した彼女たち。演奏面で気をつけたことを聞かれると「手を上げるアクションを揃えることが難しかったです」と話した。賞を獲る自信について尋ねられると「このステージに立てただけでも幸せです」と謙虚に答えていた。

バンド部門選出の「ぱんなこった」


SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「ぱんなこった」
SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「ぱんなこった」

エントリーナンバー9番はバンド部門選出の「ぱんなこった」、福島県在住の高校2年生だ。2GVo+B+Dr+key編成の5人組の彼女たちは「少女S」を演奏。ステップまで完全コピーしてみせた。「最初は緊張したんですけど、皆でやってきたことを出し切れたので、今はすごく満足しています」と清々しく話した。福島のライブハウスでも活動しているという彼女たち。ヴォーカルが80〜90年代の音楽が好きということで、「SCANDAL」以外にも相川七瀬などをコピーしているという。

バンド部門選出の「DOLL」


SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「DOLL」
SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「DOLL」

エントリーナンバー10番はバンド部門選出の「DOLL」。2年連続エントリーでファイナルを決めた5人組だ。サードアルバムに収録されている「アップルたちの伝言」で挑戦。演奏後、「お客さんの顔を見ながら楽しく歌うことが出来ました。ありがとうございました」と堂々とコメントしていた。また、このバンドはドラムが唯一の男性メンバー、そのことについて触れられると「これまでにはない男の力というものを見せようと思いました」と力強く応えていた。

バンド部門選出の「Crazy Zone」


SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「Crazy Zone」
SCANDALコピーバンドコンテストで決勝に進んだ「Crazy Zone」

エントリーナンバー11番はバンド部門選出の「Crazy Zone」。和歌山県在住の高校2年生だ。Vo+2G+B+Dr+keyの6人編成で、今回の出場者の中で最もメンバーの多いバンド。ヴォーカルは「瞬間センチメンタル」をハンドマイクを持って歌った。「SCANDAL」と言えばミニスカートがトレードマークだが、彼女たちのスカートはかなり長め。MCにその点を突っ込まれると「地元の流行です」と答えていた。

コピーバンドコンテストで演奏する「SCANDAL」
コピーバンドコンテストで演奏する「SCANDAL」

全てのバンドが演奏し終わると審査タイムに入った。今回は会場を訪れた観客からも投票を実施。集計している間、本家「SCANDAL」が約30分のステージを繰り広げた。(このライブの模様は別記事を参照)

受賞者発表


コピーバンドコンテストで演奏する「SCANDAL」
SCANDALコピーバンドコンテスト各賞発表の模様

本家が貫録のステージで観客を魅了した後、いよいよ審査発表。グランプリに先出ち、まずは「SCANDAL」のメンバー個々が選んだ各賞が発表された。憧れのメンバーに認められ、しかも本人から名前を呼ばれるとあって、選ばれた出演者はそのたびに大興奮。ギター、アンプ、ドラムなど、各賞にちなんだ豪華賞品が手渡された。また、今回はこれまで以上に接戦だったということもあり、急遽、審査員特別賞が設けられた。バンド名を読み上げられたのは、エントリーナンバー3番の「Chee bur」。平均年齢12.5歳、中学一年生バンドが受賞した。

SCANDALコピーバンドコンテストでグランプリを獲得した「DOLL」
SCANDALコピーバンドコンテストでグランプリを獲得した「DOLL」

そしてグランプリ発表の時がやって来た。審査委員長によって発表されたバンドは、エントリーナンバー10番の「DOLL」。会場の空気を一瞬にして変えたヴォーカルが評価されての受賞となった。女性メンバー全員が感涙で声にならない中、唯一の男性メンバー、キム君が「男、見せましたよ!」と力強くガッツポーズをすると、客席にいる男性客からも祝福の声が飛んだ。

以上で「SCANDAL ヴォーカル/バンドコンテストvol.3」が終了。最後にヴォーカルHARUNAが「これからも色んなバンドに会えることを楽しみに、曲を作って、ライブをやって行きたいと思います。来年も頑張ってね」と出演者にエールを送った。

今回、グランプリを獲得した「DOLL」には、来年「SCANDAL」が中心となって開催されるガールズバンドイベント「バンドやろうよ」のオープニングアクトの出演権が与えられた。音楽シーンの第一線で活躍しているガールズバンドたちと同じステージに立つことになる。

(写真・文/矢沢隆則)

■関連リンク
SCANDAL ヴォーカル/バンドコンテストvol.3
SCANDAL - Official website
SCANDAL - Official blog