投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の12月3日〜7日の動きを振り返りつつ、12月10日〜14日の見通しを解説する。

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 先週の日経平均は上昇。6日には終値で4月27日以来、約7ヶ月ぶりに9500円台を回復。週初にザラバで9500円を回復した後は、高値警戒感や節目回復による達成感などもあり、こう着相場が続いた。「財政の崖」回避に向けた米国市場の不安定な値動きや為替市場では円安一服がみられ、利益確定の売りも出やすい状況だった。

 しかし、東証1部の売買代金は連日で1兆円を上回るなど、海外勢とみられるリターンリバーサルの流れが継続。国内機関投資家の戻り待ちの売りを吸収する格好での底堅い相場展開が続くなか、米国ではオバマ米大統領の発言によって「財政の崖」への不安が後退。国内では衆議院選挙で自民党が単独過半数を確保する勢いとの全国世論調査の結果が伝わり、安倍トレード(株式買い・円売り)が意識される格好に。

 週末についても「財政の崖」回避を巡る協議の行方や11月の米雇用統計への見極め。ECBが今年と来年のユーロ圏経済成長見通しを下方修正するなど欧州不安が重しとなるなか、主力銘柄を中心とした底堅い相場展開をみせていた。

 今週はイベント満載の1週間であり、需給動向にも変化が表れる可能性がある。週初は7日発表の11月の米雇用統計の結果を受けた欧米市場の動向が相場の変動要因になる。失業率が7.9%(10月7.9%)、非農業部門雇用者数(季節調整済み)は前月比8.0万人増(10月は17.1万人増)が予想されている。ADP雇用報告の結果を受けて、コンセンサスは悪化している。ただし、今回の雇用統計については10月末に米北東部を襲ったハリケーン「サンディ」の影響を受けており、悪化は織り込み済みとなろう。

「財政の崖」が回避できるかが最重要であり、既にポジション調整などの動きも出ていると考えられる。クリスマスまでの合意期待などもあり、市場には上昇リスクも存在する。さらに、11−12日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。雇用者数の悪化が緩和期待につながる可能性もあり、量的緩和第3弾(QE3)の増額への期待もある。

 13日にはユーロ圏財務相会合が開かれるほか、13−14日にEU首脳会議が開かれる。ドイツ提案の経済改革をユーロ圏各国に義務付ける目標を2013年に設定。一方で救済基金の規模拡大については、14年より後に先送りする見通し。

 国内では14日に12月調査の日銀短観が発表される。大企業製造業DIの予測中央値はマイナス10と、9月短観(マイナス3)からの悪化に。この結果次第では、19−20日に開く金融政策決定会合で、追加緩和議論の可能性があろう。

 そして14日には先物・オプション特別清算指数算出(SQ)、16日には第46回衆議院議員総選挙が投開票される。例年はメジャーSQ通過で国内外の機関投資家による商いは概ね一巡し、クリスマス休暇入りとなる。しかし、衆議院議員総選挙、翌週に控えた金融政策決定会合が年末に向けて高水準の売買が持続する可能性がある。

 また、「財政の崖」が合意に達するようならば、売買を手控えていたファンドなどが改めて資金を振り向けてくる可能性もあろう。売買代金の水準、物色についてもイベント前に、安倍トレードの巻き戻しが起こることも考えられるため、物色・需給変化を見極めながらの相場展開となる。

 そのほか、北朝鮮のミサイル発射予告期間となるが、地政学リスクが円売り要因の一つにもなっており、発射後の反動も警戒要因にはなる。