エジプトと英国のイケメンが登場! 乙女心をキュンとさせる映画『砂漠でサーモン・フィッシング』【最新シネマ批評】

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映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します

今回ご紹介するのは、12月8日公開の英国映画『砂漠でサーモン・フィッシング』です。華やかな大作ではありませんが、心がほっこり温かくなる映画であり、感動映画だと思って見たら、意外とラブストーリーの要素も強い! なおかつ、イケメンも登場するので、女子的には嬉しい映画なのです。

頭の中は海洋生物のことでいっぱいという堅物の水産学者ジョーンズ博士(ユアン・マクレガー)は、イエメンの大富豪の代理人であるハリエット(エミリー・ブラント)から「砂漠の国イエメンで鮭釣りがしたい」という依頼を受けます。「ありえない」と一蹴するジョーンズ博士でしたが、中東と英国の関係を緩和したい英国政府がこの案件をキャッチ。漁業・農業省に勤務するジョーンズ博士のもとに、英国首相の広報担当官マクスウェル(クリスティン・スコット・トーマス)から「実行しないとクビ」との指令が飛びます。そして、ジョーンズ博士はハリエットと共に、イエメンの大富豪シャイフ(アマール・ワケド)に会うことになるのですが……。

まるで英国のさかなクンのようなジョーンズ博士。さすがに「ギョギョー」とは言いませんが、その知識の深さはさかなクンと双璧です。だからこそ砂漠で鮭釣りは「無理!」という決断を下すのです。しかし、砂漠で釣りをしたいのは、大富豪の気まぐれなワガママではなく、彼がイエメンを思う気持ちも隠されていたのです。雨季の水を蓄える地層を発見し、ダムを作ったのも、人々の生活のためという目的があったから。そして魚が来るまで待つという釣りのスタイルについて「釣り人には信じる力がある」と、語るのです。そんな彼の誠実さに、ジョーンズ博士は心を動かされるのですね。

この大富豪、登場するまで記者は「恰幅のいいオジサンであろう」と想像していました。そしたら、実に色っぽく素敵な男性でビックリ!そして微笑みをたたえながら、アラビアの衣装を翻して釣りをする姿は神聖で、ちょっと見とれてしまいました。演じるアマール・ワケドはエジプトのジョージ・クルーニーと言われる大スター!最初は年配の設定だったそうですが、英語で芝居ができて、役にピッタリのアラブ系俳優が見つからず、年齢を下げて若手のアマールが抜擢されたそうです。

そして、もうひとりのイケメンは、ハリエットの恋人を演じたトム・マイソン。ネタバレになるので多くは語れませんが、最後に彼が見せる切ない表情は、きっと女子たちの母性を直撃するでしょう。もちろん主役を演じたユアンも素敵です。今回の彼は、妻との関係がギクシャクし、ハリエットに惹かれていくさかなクン博士。不器用な告白シーンは素朴かつロマンチック! ヒロインを巡る、博士とハリエットの恋人との三角関係は、この映画のラブストーリーのキモで、ハラハラドキドキさせてくれるのです。

この物語は「砂漠で鮭釣りをする」という不可能を可能にするために奔走する人々を描いていますが、この映画化そのものが不可能を可能にした最たるものだったそうです。『砂漠でサーモン・フィッシング』には原作(「イエメンで鮭釣りを」)があるのですが、この小説は、全編メール、メモ、手紙で構成されており、これを脚本家するのは不可能かも…と思われていたのです。それを『スラムドッグ$ミリオネア』のサイモン・ビューフォイが脚本に。その脚本を見て『ギルバート・グレイプ』のラッセ・ハルストレムが「私に監督させてください!」と名乗りをあげたそうです。

製作者たちの情熱が映画化を可能にした『砂漠でサーモン・フィッシング』。心をポカポカと温めたいときに、ぜひ見てほしい映画です。

(映画ライター=斎藤 香)

『砂漠でサーモン・フィッシング』
2012年12月8日公開
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:ユアン・マクレガー、エミリー・ブラント、クリスティン・スコット・トーマス、アムール・ワケド、トム・マイソン、キャサリン・ステッドマン、レイチェル・スターリング、トム・ベアード、ジル・ベイカー、コンリース・ヒルトム・ベアード、コンリース・ヒル
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