今月注目! 経済の言葉「信用取引の規制緩和」
年末相場の盛り上がりを期待してはいるが、新しい材料に欠け、一進一退の株式市場。全体的に下落しているので、配当の高さが際立つくらいで、その…楽しくない(?)。じっくり銘柄選びぐらい、楽しみましょうか!


私たちは資金の範囲内で自由に投資を楽しんでいますが(収益面ではつらいことも多いですけど!?〈笑〉)、実は大きな“シバり”のもとで取引をしています。それは「受け渡し日」。受け渡しとは、簡単に言えば証券会社とお金のやりとりをする日のことで、実は、売買日を含めて4営業日後に証券会社とお金のやりとりをしているんです。今日売った銘柄の現金を引き出そうと思ったら、4営業日待たなければなりません。

現在、現物取引を行なう場合、同じ資金で同じ銘柄を何度も売買することはできません(違う銘柄ならOKです)。「1往復」という概念のもとで、
●買い→売りまで。さらに同じ銘柄を買い直すことはできない。
●持っていた銘柄を売って、同じ銘柄をまた買うことはできても、売ることはできない。
といった感じ。なぜかというと、決済が4日後であるため、一回一回決済されていないから。同一銘柄を何度も売買すると、4日後には差額(損益)だけのやりとり、いわゆる「差金決済」になってしまうからです。

現物取引は別銘柄であれば何度も売買できますが、信用取引は仮に別の銘柄であっても同一資金である以上、何度も売買することは不可。たとえば、100万円の証拠金で最高300万円の買い建て玉⇒その日に売却した場合、もう取引をすることはできません。これは一度使った証拠金が1日拘束されるからです。

しかし、実は来年からこの制度が大きく変わります♪ 信用取引において、同一銘柄であろうが、同一資金であろうが1日に何度でも売買が可能になるのです! 早いところでは大発会(1月4日)からの導入を予定しており、相場に臨機応変に対応することができるようになります。信用取引は怖いと思っている人も多いと思いますが、それは信用枠いっぱいに売買をするからであって、現物のような信用取引なら、リスクも低くなります。ご自身の自制心次第ですよ♪ ぜひ、この制度、信用取引をしっかり勉強してから活用してみたいですね。

若林史江(わかばやし・ふみえ)
株式アドバイザー、徳山大学経済学部特任講師

この連載では経済を背景に移り変わる金融用語を、できるだけわかりやすく紹介していきます♪



この記事は「WEBネットマネー2013年1月号」に掲載されたものです。