活発化するASEAN投資。資金流入は意外な経路から
米国のQE3(量的緩和第3弾)発動が新興国株にもたらした影響は、今のところ限定的。だが、中国の新体制誕生を先取りして、10月の香港株は上昇した。ここから年末に向けて新興国株相場はどう動くのか?


ベトナム、ミャンマー、バングラデシュ…。新たな投資地域を探る

インターネット取引の普及などで、海外市場の株式取引もずいぶん身近な存在となりました。楽天証券でも米国株や中国株・香港株だけでなく、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシアなどのASEAN(東南アジア諸国連合)株を取り扱っています。

下の表は、楽天証券における香港上場ETF(上場投資信託)とシンガポール株(ETFを含む)の直近半年間の売買代金ランキングですが、よ〜く中身を見てみると、少し変わった傾向が見えてきます。

たとえば、香港上場ETFのランキング1位がなぜかベトナムを対象としたものだったり、インドやインドネシアを対象としたETFも4位と9位にランクインしています。

シンガポール株のランキングは、自国以外を投資対象とした銘柄のほうが多く上位を占め、米国をはじめ、インドネシアやインド、ベトナム、バングラデシュを対象としたETFという顔ぶれとなっています。

確かに、インドやベトナム、バングラデシュなどの株は、日本国内の個人投資家にとって、興味があったとしてもなかなか投資しにくい市場です。そのため、これらの地域に投資したいときは、その地域を投資対象とする投資信託や事業進出に積極的な日本企業の個別銘柄を探することになります。

また、表でもわかる通り、他の海外市場に上場しているETFなどを通じて間接的に投資することもできるわけです。実は、意外とポピュラーな投資手法のようです。

また、間接的な投資という視点で見ていくと、ETFから個別銘柄にも広がりを見せています。シンガポール株で1位となっている、ヨマ・ストラテジック・ホールディングスという銘柄は、ミャンマー関連で特に最近取引が増えてきた銘柄です。

ミャンマーは2011年の民主化以降、経済成長が期待できるフロンティアとして、海外でもにわかに注目されています。ミャンマー関連銘柄はタイ株市場などにも上場しているので、チェックしてみてはどうでしょう。



土信田雅之(Doshida Masayuki)
楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト

新光証券などを経て、2011年10 月より現職。ネット証券随一の中国マニアでテクニカルアナリスト。歴史も大好きで、お城巡りと古地図収集が趣味。




この記事は「WEBネットマネー2013年1月号」に掲載されたものです。