雄大なメコン川の夕日を眺めながら焼鳥をつまみにビアラオを飲み干す。ラオスの至福の時だ【撮影/『テイスト・オブ・ラオス』 】

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約8カ月のバックパッカー旅行後、2002年からラオスに住み、旅行会社を経てコーディネーターになった森記者が、ラオスの人々と密接に関わるメコン川の開発についてレポートします。

[参考記事]
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ラオス人とメコン川の深いつながり

 メコン川は、総流域4425km、中国、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムに跨がる世界で10番目に長い東南アジアの代表的な河川だ。その源流はチベット高原に発する。メコン川周辺6カ国の中で首都圏を流れるのはカンボジアとラオスの二カ国のみ。ラオスでは、隣接するタイとの国境線の3分の2を形成している。その存在感は大きく、ラオスのイメージの代表格にもなっている。メコン川の夕日とピンガイ(鶏の丸焼き)、ビアラオ(ラオス国産ビール)は、ラオスの代名詞だった。

 ラオスの祖先たちは、メコン川を下って中国雲南省から古都ルアンパバーンへ南下してきたと伝えられている。支流と本流に挟まれた半島のような山間盆地に長い船旅を終えた人々は辿り着いた。メコン川がもたらす肥沃な栄養分は、河岸の砂地に新鮮な野菜をもたらしてくれる。ルアンパバーンの名物麺カオソーイには、メコン河岸で育った美味しいウォータークレスなどの緑黄野菜が添えられる。

 南部チャンパサック県では、メコン川を巨大な輸送路に変えようとしたかつての宗主国フランスの夢を阻んだ大瀑布コーンパペーンで、穏やかなメコン川の顔が一変する。この地域はシーパンドーン(4000の島々)といわれ、島々に渡っての観光も重要な観光資源の一つだ。カンボジア国境付近では、珍しい川イルカも見られる。

 川に沿って暮らす人々は、早朝、網を仕掛けにメコン川へ赴き、日中は田圃へ稲作に出かけ、夕方、網に掛かった収穫物を楽しみにメコン川へ戻る。子供たちにとってもメコン川は格好の遊び場だ。暑い時間帯をメコン川でじゃれ合う姿が首都圏でもまだ多く見られる。ラオスの人々の側には、いつもメコン川があった。

 しかし、時代の流れとともにメコン川の様子、人々との関わり方も変わってきている。

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